研究課題/領域番号 |
03236233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
入江 寛 長崎大学, 薬学部, 教授 (00025686)
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研究分担者 |
宮下 正昭 長崎大学, 薬学部, 助教授 (50006326)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 植物病原菌 / 胞子 / 自己発芽抑制因子 / 光学分割 / カルバメ-ト誘導体 / 三フッ化ホウ素 / ラクトン化 |
研究概要 |
いくつかの植物病原菌胞子について自己発芽抑制因子の存在が知られている。平成3年度はこのうちヒレタゴボウタンソ病菌(<colleatatrichum gloeospolides>___ー)の胞子の自己発芽抑制因子、(ー)ーグロエオスボロン、およびその立体異性体を合成し生理活性と構造との関係を明らかにすることを目的として研究を行なった。この目的を達成するためには、(ー)ーグロエオスボロンがその構造中にもつ二つの不斉中心に由来する立体異性体を全て光学活性体として合成しなければならない。それには適当な段階で合成中間休を光学分割して合成を進めるのが有利であると判断し、2ートリデセンー6ーオ-ルの光学分割を行なった。分割を行なうには一般に結晶性の良いとされているカルバメ-ト誘導体を選び、2ートリデセンー6ーオ-ルと(S)ー(+)ー(1ーナフチ-ル)ーエチルイソシアナ-トとを三フッ化ホウ素を触媒として反応させ、ジアステレオマ-の関係にある二種カルバメ-トを得た。因みにアルコ-ルとイソシアナ-トからカルバメ-トを形成する場合に触媒として三フッ化ホウ素が極めて無効であった。二種カルバメ-トを分離後、それぞれを環元し(+)ー、及び(-)ー2ートリデセンー6ーオ-ルを得た。ここに得た(+)ー、及び(-)ー2ートリデセンー6ーオ-ルをエボキシドに酸化し、エボキシドに4ーペンチン酸のリチウムジアニオンを反応して炭素鎖の延長を行なった。この時新たに不斉中心が生ずるので生成物は二種のジアステレオマ-の混合物となる。この段階では二者の分離は出来なかった。これを混合物のまま,14員環ラクトンの形成、続いてアセチレン結合をαーチケトンに酸化した。この段階でジアステレオマ-の分離が可能であった。その内の一つは(-)ーグロエオスボロンに導かれ同定された。また、残る三種の異性体はそれぞれ(ー)ーグロエオスボロンの立体異性体に導かれ、合成を完成した。
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