研究課題/領域番号 |
03237202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
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研究分担者 |
永宗 靖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20218027)
深津 晋 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (60199164)
尾鍋 研太郎 東京大学, 工学部, 助教授 (50204227)
伊藤 良一 東京大学, 工学部, 教授 (40133102)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | メゾスコピック領域 / 電子線描画法 / 電子波干渉 / 収束イオン線 / 化学エッチング / 極微細線 / ブル-シフト / 真空一貫リソグラフィ |
研究概要 |
本研究の目的は、メゾスコピック領域における電子波干渉に関する基礎研究および新しい量子効果を利用した極微電子波デバイスを開発することである。本研究では、特に(1)電子線描画法を利用した線幅50nm以下の微細線構造の描画、化学エッチングによる超微細加工、超微細構造の評価、および(2)イオン線リソグラフィによる窒化珪素系無機レジストの応用について検討した。(1)では特に、ビ-ム径10nm以下の電子線を駆使してPMMAによる超微細パタ-ン形成方法の確立を目指した。今回我々は、新たに開発した2階段ウエットエッチング法とGaAsの順・逆メサ異方性エッチング特性を利用して、従来難度が極めて高いとされてきたAlGaAs/GaAs系材料の超微細加工に成功した。AlGaAs/GaAs量子井戸を基板平面内で微細化することで線幅30nm程度のAlGaAs/GaAs極微細線を作製し、この極微細線の発光特性をフォトルミネッセンス法で評価したところ、予想ざおりに30nmの細線構造において顕著な発光エネルギ-のブル-シフトが観測された。さらに、代表的な加工法であるドライエッチングによって形成された微細線構造からの発光に比べ、我々のウエットエッチングでは加工損傷による非発光部分が極めて小さく、光の2次元閉じ込め実現には有利な手法であることが判った。 一方、(2)に関しては、Gaの収束イオン線を用いたSiN_x無機レジストの表面改質を利用して、CF_4ドライエッチングにおけるナノメ-タ解像度のネガレジストを新たに開発し、50nm線幅以下の超微細構造を得た。また、本手法は真空一貫リソグラフィへと拡張できる利点があり、SiN_xをマスクに用いることによりメゾスコピック領域に入る超微細構造を電子線と有機的に結びつけて作製する方法として展望が開けた。 これにより、当初の目的であったメゾスコピック領域における半導体極限構造の作製制御法の基礎固めはわほぼ整備されたといえる。
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