研究課題/領域番号 |
03237208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
中村 勝弘 福岡工業大学, 工学部, 教授 (50140801)
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研究分担者 |
長谷川 洋 京都大学, 理学部, 助教授 (00025264)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 量子カオス / ビリヤ-ド / 関放系 / 電気伝導度 / 自己相関関数 |
研究概要 |
開放系ビリヤ-ド内の電子のカオス運動が電気伝導にどのような影響を与えるかを調べた。アスペクト比を調節して、可積分な円状ビリヤ-ドから充分にカオス的なスタジアムビリヤ-ドへと連続的に形状が変化するように設計する。ビリヤ-ドの両端に伝導性のリ-ド線をつけ、開放系とする。本研究では、リ-ド線の半径を小さくし、開放度を小さくした。 まず、入射電子の運動を古典論で考察し、ビリヤ-ド内の滞在時間が入射位置にどのように依存するのかを調べた。この滞在時間スペクトルは、スタジアムの場合、非常に細い構造を持ち、しかも、自己相似性を示すことがわかった。 次に、入射電子の量子運送をシュレ-ディンガ-方程式を解くことにより調べた。S行列を計算し、各入射モ-ドに対して、電気伝導度のフェルミ波数依存性を調べた。弱開放系のため、レゾナンスの密度が高く、円状及びスタジアムビリヤ-ドのいずれについても異常ゆらぎが共通にあらわれる。従って、量子系では、可積分とカオスの差異が消滅するように思われるが、適当な平均操作をおこなうと、円の場合は、あるプラト-値のまわりに短周期の小さな振動構造があらわれ、スタジアムの場合は、長周期で大振幅のスム-ズな振動構造があらわれる。 粗視化する前の伝導度を用いて、波数自己相関関数を求めると、スタジアムの方が円よりも強い短距離相関を持つことがわかった。このことは、粗視化により生じる上述の差異の根拠となっている。 電気伝導度の差異は、背景にある古典力学的な電子軌道のエルゴ-ド性、混合性の有無を反映していることも明らかになった。
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