研究概要 |
準ぜい性材料における非線形非定常衝撃波動と衝撃波形成・伝ぱの解析ならびに内部発熱と塑性ひずみ速度依存性を考慮した多軸構成則の検討に関する研究を実施し,以下の成果を得た。 1.準ぜい性材料の一例として花崗岩を対象とし,連続体損傷材料モデルに基づく実験に立脚した多軸構成則を決定した。これを踏まえて当該材料における非線形非定常波動伝ぱの一次元問題を扱い,衝撃波形成過程を解析した。これにより入射波の負荷過程に関して,-dσ/d(ct/l)が時間の経過とともに少さくなる入射波において衝撃波の形成過程がより進行することを明らかにした。ここにσは応力,tは時間,lは平板材の幅であり,またcはマイクロクラックが形成される以前の材料における音速である。 2.前年度までに,固体内を伝ぱする弱い衝撃波の解析に有効な一次元の構成式を提案し,その時間特性も検討した。その構成式は,ひずみ速度が10^3s^<-1>以上の転位の粘性抵抗が変形抵抗を支配する領域にも適用できることから,本年度においてはその構成式中の材料定数Kを転位の運動に対する粘性係数から決定できることを示した。また,それによりこれまで物理的意味の不明確だったその定数の物理的背景を明らかにした。さらに,その構成式を一般化することにより多軸応力状態に適用できる構成式を,力学3要素モデルを用いて導出した。 3.衝撃力をうけた複合材料の動的構成関係の解明のために応力波伝ぱ速度が遅く熱伝導率の小さいCFRP試験片を用いて,塑性ひずみには繊維の動的面外変形による層間の応力等が大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
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