本研究課題は高密度プラズマ中に別に3次元に拡がる超音速プラズマを発生させることによって宇宙に於ける衝撃波特に太陽磁気圏とよばれる構造を実験室に再現することにある.その存在は宇宙線の高エネルギ-成分の強度の変調によって地上観測として推定されているに過ぎず、その本当の姿は全くわかっていない状態にある.本年度は次の成果をあげることができた. (A)太陽系に対して相対的に超音速で流れてくる星風と呼ばれるブラズマ流は銀河系磁場によって磁化されいてるが近年そのAlfvenマッハ数MAが1よりも小さいことが推察されている。これまでにMHD数値シミュレ-ションによってMAが1よりきわめて大きい場合の例が示されたことがあるがMAが1以下の場合についてはジャイロ半径が小さくその計算がきわめて困難なためその例がない。本実験によって得られた結果は次の重要な事実を示した。MAが1より大きい場合はショックの接触面は放物面となるが、MAが1より小さい場合は接触面がクチバシ状になることがわかった。 (B)また、2つの超音速プラズマ流の衝突によって生ずる衝撃波の構造をコマ撮り写真を用いて測定し、接触面および内部ショックの時間形成過程を解明した。重要な結果のひとつは、それらに3つの状態が存在することがわかった点にある。最初にプラズマが拡がっていく状態があり、そのあと定常状態、そして磁場がショックの接触面を越えて太陽磁気圏内に侵入していく状態が観測された。この時間過程をビデオに編集し連続投影することをおこなった.
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