研究課題/領域番号 |
03240203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桜井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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研究分担者 |
渡辺 洋右 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00167181)
宝野 和博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60229151)
橋詰 富博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70198662)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | FI‐STM / AFM / 金属 / Ag / Cu / 触媒 |
研究概要 |
銀や銅の表面は、触媒として実際に工業的に使用されているが、その触媒作用は応用面を中心に研究されており、原子レベルでの構造・電子状態を基礎的に解明することは充分になされていなかった。その一つの要因として、従来の平均的な表面解析手法では、分子(原子)と分子(原子)が関与する触媒反応を、直接原子レベルで評価することが非常に因難であることが挙げられる。これに対して、走査トンネル顕微鏡(STM)は、その顕微鏡としての高い分解能や表面の凹凸だけでなく個々の原子の電子状態も測定できる(STS)特性から、工学・化学の諸分野の研究者から注目を集め、とくに、本研究グル-プが設計・開発を行なった電界イオンー走査トンネル顕微鏡(FI‐STM)は、電界イオン顕微鏡(FIM)をSTMに組み込んで、STMの分解能を決定する走査探針の評価をSTM内で正確に行ない、100%の再現性で原子像を得ることのできる高性能STMとしての評価も高い。 本研究のおける金属人工超格子の研究のためには、表面での凹凸が小さく(^<【less than or similar】>0.01A^^゚)STM研究が極めて難しいと考えられている金属表面の研究にSTMを用いる必要があるため、FI‐STMをAg(110)及びCu(111)表面に応用して、Ag(110)表面に於る清浄表面の様子、酸素吸着における表面の変化、酸素吸着相の原子講造、エチレンの部分酸化に関連した弱く結合した原子状酸素の存在等を明かにした。また、Cu(111)面における塩素の吸着構造として、吸着量により、√<3>x√<3>R30゚,4√<7>x4√<7>R19.1゚,6√<3>x6√<3>R30゚などの周期性をもつ表面吸着構造が存在することが低速電子回折(LEED)などにより知られていたが、今回のFI‐STMを用いた実空間での観測により、√<3>x√<3>と6√<3>x6√<3>構造は従来のモデルでよく説明できるが、4√<7>x4√<7>構造はLEEDの解析結果とは非常に異なることが明らかになった。
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