研究課題/領域番号 |
03240208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前田 康二 東京大学, 工学部, 助教授 (10107443)
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研究分担者 |
鈴木 邦夫 東京大学, 物性研究所, 助手 (50107439)
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
目良 裕 東京大学, 工学部, 助手 (40219960)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1991年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 人工格子 / 転位すべり / SiGe / Si / 転位フィルタ-効果 / ミスフィット転位 / ヘテロエピタキシャル / パイエルスポテンシャル / キンク |
研究概要 |
ミスフィット転位の導入を抑制して良質なエピタキシャル薄膜を形成するのに有効とされる歪み超格子(SLS)による転位フィルタリング効果の機構を明らかにし、金属系人工格子への応用の可能性を探るための基礎的実験を、モデル試料としてMBE成長Si_<1ーx>Ge_X/Siを用いて行った。転位フィルタリング効果の機構として考えられる超格子周期構造(人工的パイエルス格子)によるブロッキング効果と掃き出し効果のうち、後者が有効に起こるためには、半導体のようにパイエルスポテンシャルの大きな結晶では、転位運動の特性長であるキンクの平均自由行程λが超格子周期ξより長いことが必要である。単層エピ膜中の貫通転位のセグメント長が膜厚によって決まることを利用して、転位速度のセグメント長依存性の飽和点からλを決定することを試みた。実験は当初X線トポグラフ法による転位運動の動的その場観察を試みたが、分解能等の理由から最終的には、パルス加熱によって移動する転位位置をエッチピットの光学顕微鏡観察で追跡し、種々の膜厚、合金組成の試料につき転位速度を測定した。その結果、転位速度は膜厚に比例するというバルク結晶とは異なった挙動を示すこと、λは1μより長いこと、SLSによる転位フィルタリング効果がξ<h_c(臨界膜厚)の領域でξの増大とともに大きくなるのは、λ>ξの事実と上述の掃き出し効果で説明できることが分かった。SLSによる転位フィルタリング効果ではξがh_cを越えると新たなミスフィット転位の導入が起こってしまうことによる限界がある。これを回避するための有効な超格子構造として、今回の研究の結果明らかになったものとして、各層の剛性率を変えた剛性率変調多層膜ーModulus Modulated Multi‐Layer=M^3Lーを新しい転位フィルタ-として提案した。
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