研究概要 |
本研究では スパッタリング法で CuーHf金属多層膜を作製し、さらに焼鈍することで 固相反応を起こさせ 非晶合金を得ることを試みた。CuーHf金属多層膜は高周波マグネトロンスパッタにより作製し、実験では層厚が異なる3種類の試料を用いた。それぞれの試料は100℃ステップの焼鈍を行ない非晶質化、さらには 結晶化させていき,その局所構造の変化を TDPACの測定により調べた。3種類の試料は 積層周期が110A^^○〔Cu54A^^○/Hf56A^^○〕,440A^^○〔Cu228A^^○/Hf218A^^○〕,2000A^^○〔Cu1000A^^○/Hf1000A^^○〕で、ト-タルの厚さは すべて10000A^^○である。TDPAC測定はfastーfast系で4検出器により行なった。またTDPACスペクトルの解析は 最大エントロピ-法によった。X線測定により、Hf層及びCu層はそれぞれ(002)面及び(111)面に垂直方向に成長することがわかった。また 層厚110A^^○の場合、作製時で すでに非晶質化されていることがわかった。層厚440A^^○の場合、400゚Cの焼鈍により非晶質化された。また 層厚2000A^^○の場合500゚Cの焼鈍により非晶質化された。非常に興味深いのは、層厚440A^^○及び2000A^^○の場合、作製時、比較的きれいな層になっているにもかかわらず、Hf層内のTDPACスペクトルは Hf結晶が非常にひずんでいることを示めしている。またVzzもHCPHf結晶に比して高く、この傾向はNbーHfーNb多層膜の結果と類似なものとなっている。これらのひずみが 非晶質化にともない減少することから Hf層内の大きなひずみが 非晶質化に対し非常に重異な役割をはたしているものと考えられる。
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