研究課題/領域番号 |
03240212
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八木 克道 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016072)
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研究分担者 |
箕田 弘喜 東京工業大学, 理学部, 助手
谷城 康眞 東京工業大学, 理学部, 助手 (40143648)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1991年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 金属超格子 / surfactant / その場観察 / エピタクシャル成長 / 表面ステップ構造 |
研究概要 |
今年度は、蒸着装置の作製と、完成するまでの予備実験として我々の電顕に備えてある既存の蒸着装置を用いて下地単結晶上に金属をエピタクシャル成長させ、その上で異種金属の成長過程の電顕内その場観察を行った。 蒸着して得たステップ構造を持つ(III)方位のPd上にAgを蒸着するとPdのステップの下段側にAgの成長が観察された。逆にステップ構造を持つ(lll)方位のAgの上にPdを0.5層蒸着するとPdは三角形状の2次元核を生成する。同時にAgとPdの格子常数の違いによる歪みによるコントラストが現れる。更にAgを0.5層ほど蒸着してもコントラストの変化はほとんど認められなかった。また、Agを厚く蒸着すると、AgとPdの相互拡散が無視できる程度の低温でもPdによるコントラストは消失し、PdがAgに埋め込まれてしまう事が分かった。これらは、AgとPdの表面拡散距離の大きな違いの為と考えられる。以上の事からこの系による金属超格子の作製は難しいと考えられる。今後、系を変えて実験を行う事を検討している。 もう一つの試みとしてMoS_2結晶上のAuを(lll)方位でエピタクシャル成長させて表面超格子構造を持つAuの板状結晶を作る。その上にPbを蒸着すると表面が全面Pbで覆われてAuの表面構造は消失する。その上に再びAuを蒸着した時にAuの表面構造が現れない事からPbは常に表面最上層に浮く事が分かった。PbがAu蒸着後も表面最上層に浮くという事実は、PbがAuの表面活性物質(surfactant)の候補として有力な物質であることを示唆している。従って、Auを含む金属超格子の作製の見通しは明るいと考えられる。今後は完成した蒸着装置を電顕に取り付け、SurfactantとしてPbを用いたAuを含む金属超格子の作製を目指す予定である。
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