研究課題/領域番号 |
03240214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
直江 正彦 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016465)
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研究分担者 |
松下 伸広 東京工業大学, 工学部, 教務職員 (90229469)
中川 茂樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (60180246)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | イオンビ-ムスパッタ法 / 人工格子 / 巨大磁歪膜 / 希土類 / 鉄属遷移金属 / Fe系多層膜 / 軟磁気特性 |
研究概要 |
人工的に二種の希土類ー鉄属遷移金属(REーTM)の金属間化合物を数nm〜数μmの一定周期で層状に積み重ねた構造を持つ多層膜はそれらの単体膜とは異なった磁気特性を示すのみならず、層境界での相互作用による磁気異方性や電気機械結合力の飛躍的増大が期待できる。これまでのスパッタ技術では層境界を乱さず、極薄層を多数積み上げることは難しいが、デュアル・イオンビ-ム式スパッタ法はそれらが可能となるので上述の機能を引き出せる有力な方法として注目される。本研究では、二種の極薄層を交互に堆積を繰り返して、層境界の乱れがみられない人工格子型膜を作製できる二種の複合タ-ゲット取り付ケスパッタ装置を試作し、これを用いてFeを主材料とした薄膜を形成する基礎実験を行った。本年度では希土類と同様に活性度の高い金属元素であるAlやMnを多層膜構成材料として使用し、Fe系多層膜の構成して、その結晶性や磁気特性等の諸特性に与える層厚や層周期の依存性を調べた。例えば、FeとAlの多層膜においては、Al中間層の厚さが15A^^0以上になると軟磁気特性が向上する。そのときに膜中に磁気異方性が現れ、結晶面間隔のずれが中間層厚に比例しなくなることからこの層厚以上で上下間のFe層の結晶子が独自に成長するものと考えられる。また、通常、金属・合金のスパッタに用いられるArガスに変えて、Krガスを用い、Fe層の結晶性が向上した。これは、タ-ゲット原子よりも重い元素でスパッタしたことによりスパッタ粒子のエネルギ-が増加したことと、タ-ゲット表面からの反跳原子が少なくなったことが原因と思われ、今後、希土類元素等の重元素のスパッタを行なう際に配慮すべき重要な点と考えられた。これらをはじめ、本研究によりREーTM系の金属間化合物人工格子を作製する際の有力な知見を得ることができた。
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