研究課題/領域番号 |
03240222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
巨海 玄道 熊本大学, 教養部, 助教授 (00111146)
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研究分担者 |
上床 美也 熊本大学, 教養部, 講師 (40213524)
岡田 邦英 熊本大学, 理学部, 助教授 (00040121)
原 一博 熊本大学, 教養部, 教授 (40033881)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 人工格子 / 磁気抵抗効果 / 高圧 / Fe / Cr |
研究概要 |
Fe/Cr人工格子の巨大磁気抵抗効果は、Cr層の厚さt_<cr>、すなわちFe層とFe層の間の距離に敏感に依存することが明らかにされ、さらに最近、Parkin等によってFe/Crの磁気抵抗がt_<cr>の関数として振動する現象が見つけられている。金属人工格子に圧力をかけることは、この層間の距離を“精密に"かつ“任意の大きさで"変化させることができるので、高圧及び高磁場下の電気抵抗の測定は金属人工格子の巨大磁気抵抗の機構解明に貴重な情報をもたらしてくれる。本研究は最近我々が開発した低温高圧高磁場装置を用い、金属人工格子の磁気抵抗効果を測定し、人工格子の中における伝導電子の散乱機構の本質を探ろうとすることを目的とする。(Fe30A^^・/CrxA^^・)yのうちでx=9.5、11、15.2及びy=24、22、20の3つの試料について、磁気抵抗効果△R/R=(R(H)ーR(O))/R(O)の測定を20kbarまでの圧力範囲で行った。これらの試料はx=11近傍で△R/Rがピ-クをもつが、15.2はピ-クとピ-クの間に存在する。T=4.2Kでの実験結果では、x=9.5及び11の△R/Rは、20kbarの圧力の印加で常圧の値の約40%近くにも減少するが、x=15.2、y=20の試料はせいぜい5%ぐらいしか減少しなかった。また、△R/Rの圧力に対する変化はlinearでなく、10kbar以下では殆ど一定であり、変化は10kbar以上で生じた。x=15.2の試料においては、T=77.4Kでは加圧するとわずかに増加する傾向も見られた。このように、ピ-クの近傍に存在する試料の△R/Rは圧力に敏感であり、ピ-クを離れた試料の△R/Rは圧力にあまり依存しないことがわかった。しかし、x=9.5と11の△R/Rの圧力変化も詳細な点では異なっており、この物質系の複雑さを物語っている。特に界面の△R/Rに対する寄与及びその圧力変化はこの系を複雑にしている最も大きな原因であると云える。
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