研究課題/領域番号 |
03241104
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
林 恭三 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (00029935)
|
研究分担者 |
池田 潔 大阪薬科大学, 薬部学, 教授 (50001053)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ホスホリパ-ゼA_2 / Ca^<2+>依存性複合体 / スフィンゴミエリン / 結合定数 / 金属イオン / ランタニドイオン / 触媒中心 / 触媒効率 |
研究概要 |
われわれはすでに酵素反応速度論のパラメ-タ-のCa^<2+>依存性から酵素と基質のミカエリス複合体にはCa^<2+>依存性複合体と非依存性複合体が存在しそれらの分率がグル-プIとIIのホスホリパ-ゼ(PL)A_2で異なる可能性を見出していた。本研究はこれらの複合体の構造とCa^<2+>の役割を明らかにするためグリセロリン脂質の2位の脂肪酸エステル結合をアミド結合に変換したいくつかのスフィンゴミエリン同族体を合成し酵素活性の阻害および直接結合におよぼすCa^<2+>の影響を明らかにすることを目的とした。その結果、(1)PLA_2の触媒作用にはCa^<2+>酵素に対する結合が必須であることがわかった。またグル-プIの酵素に対する基質の結合はCa^<2+>の結合とは独立であり、一方グル-プIIの酵素に対する基質の結合定数はCa^<2+>がない場合グル-プIの酵素の値より10倍程度小さいがCa^<2+>の結合により10倍以上増大することがわかった。(2)親水基としてホスホグリコ-ルおよびホスホコリン基をもつスフィンゴミエリン同族体はともにジヘキサデカノイルレシチンを基質とする酵素反応を拮抗的に阻害した。(3)Ca^<2+>と全く同様にランタニドイオンを含む種々の金属イオンがPLA_2およびこれらの基質複合体と結合し、Ca^<2+>の場合の最大25%以下の酵素活性を示すことがわかった。また酵素と金属イオン複合体に対する基質の結合定数はイオンの種類にほとんど依存しないが触媒中心活性の最大値を示すには適当なイオン半径が必要であることがわかった。これは酵素金属イオン基質複合体の構造はある程度曖昧なものであるが以後の触媒反応が有効に進むためには遷移状態中間体の構造が極めて厳密でなければならないことを示唆している。(4)基質がミセルを形成すると酵素と基質との結合力1/kmおよび触媒中心活性Kcatがともに著しく増大することや基質のミセル形成に伴うグル-プIIの酵素の触媒効率の増大がグル-プIの酵素の触媒効率の増大の2倍以上であることがわかった。これらの新しい知見を得た。
|