研究課題/領域番号 |
03241219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀 洋 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20127294)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヘム蛋白質 / 電子スピン共鳴 / EPR / 一酸化窒素 / 光解離中間体 / スピン相互作用 / シトクロ-ムPー450 / 立体障害 |
研究概要 |
ヘム蛋白質の研究においてEPR分光法は活性中心の配位子、基質結合構造や酵素反応機構はもちろんのこと、不対電子を持つ金属をプロ-ブとして蛋白質の構造と機能を追究する重要な手段となる。 一酸化窒素NOは電子スピンS=1/2を持ち、電子スピンS=5/2の金属錯体に配位すると「EPR不活性」になるが両スピン間の強い相互作用を光照射で弱めると弱いスピン相互作用によるEPRの観測が期待される。極低温でトラップされた光解離中間体分子種のEPR吸収は解離したNO分子と中心金属間距離情報、金属中心の周辺アミノ酸残基の立体構造を反映するから、ヘム蛋白質における配位子分子の解離・再結合過程の動的解析、基質反応機能と構造の相間の議論が可能になる。 1.極低温でトラップされた光解離中間体の異常なEPR吸収をミオグロビンの遠位ヒスチジン残基の立体障害(化学修飾、組換えDNA技術による変異体、金属置換)と解離分子との相関で明らかにした。 2.ミトクロ-ムPー450sccの基質結合部位の解造解析への応用:酸化型Pー450sccーNO複合体はEPR不活性であるが極低温で光照射すると基質であるコレステロ-ル誘殿体の有無、種類によって線幅の増大したg〜8吸収が現れたり、ゼロ磁場吸収が現れる事を見いだした。基質のない場合はゼロ磁場吸収はみられず、20SーOHコレステロ-ル存在下では明瞭なゼロ磁場吸収がみられた。この結果は基質結合部位に於けるヘム鉄ーNO(酸素分子のモデル)一基質の立体構造の情報を与えてくれる。20SーOHコレステロ-ルが特異なゼロ磁場吸収を示す事はコレステロ-ルの側鎖切断に20S位への水酸化が重要な意味を持つ事を示唆しており、より詳細な実験・解析を進めている。 3.スピン相互作用によりS'=2の「整数スピン系」の特殊な遷移測定が可能なEPR空洞振器を自作し、EPR測定の目度をたてた。
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