研究概要 |
アミノ基を保護しないヌクレオシドの水酸基を各種有機金属試薬でアルコキシドとして活性化することによって官能基選択的にホスホリル化する方法を発見した。この方法を用いて、強い抗ウイルス性を有し、エイズやウイルス性がんなどの治療薬としての期待が高い2ー5A類の簡便大量合成法を開発した(早川)。 真核細胞メッセンジャ-RNAのキャップ構造,m^7G^<5'>pppGの新規簡便合成法として、G^<5'>pppGa一方のグアノシンのみを,ジメチルスルホキシド中ヨウ化メチル,あるいは水溶液中硫酸ジメチルを用いてメチル化する方法を開発した(畑)。 オリゴヌクレオチドの末端および内部に、軸共有結合の可能なP(V)ポルフィリンをもつ2種類の光化学活性オリゴヌクレオチドの合成法を確立し、光誘起電子移動反応を原理とする新しい蛍光プロ-ブ法を展開した(清水)。 セルロ-ス誘導体を高分子担体とした固相上、スペ-サ-として3ー(カルボキン)プロピオニル基を用いてオルゴヌクレオチド鎖を構築する方法を検討し、修飾塩基プソイドウリジンおよび1ーβーロ-リボフラノシルチミンを含む12量体ならびに5'ー末端リン酸を含む11量体等、大量の高純度RNA型オリゴマ-の合成法を開発した(石戸)。 数多く生体内に分布し、多くの化学プロセスに重要な役割を果しているピロリン酸結合をもつ核酸系化合物の簡便な合成法の開発を目指して中性水溶液中でのピロリン酸結合形成反応を検討し、種々のヌクレオシド5'ーホスホイミダゾリドとヌクレオチドあるいはリン酸化合物から、Mg(II)あるいはMn(II)イオンを触媒に用いると,保護基をまったく用いることなく、NAD,ATP,Ap_4A,mRNAのキャップ部など種々のピロリン酸含有ヌクレオチドを合成する新手法を見い出した(沢井)。
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