研究分担者 |
岸 清 東京理科大学, 理学部, 助教授 (90087354)
墻内 千尋 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80027812)
七里 公毅 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80046987)
権田 武彦 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (50084455)
大鉢 忠 同志社大学, 工学部, 教授 (40066270)
|
研究概要 |
核形成の研究に関しては分子線エピタキシ法,高真空走査型電顕内での成長,ガス蒸発法による三次元核形成および電流制御法による核形成の研究を行なった。特異面からわずかに傾いた基板を用いると成長ステップが多数現われ,ここにMBE成長させると条件によりステップ間に二次元核が現れる。この核形成の有無はRHEEDによってモニタ-できるので、これを利用し、GaAs基板上でのGaAsおよびAlAsの二次元核形成につき調べ、この結果を用いてGaAs上のGaおよびAlの表面拡散距離を求めた。又、マイカの上にZnの核形成が起る様子や,GaAs基板の上にGa液滴が形成される様子を直接観察することができた。又,ガス蒸発法により化合物結晶の微粒子を形成し,雰囲気ガスと生成核の組成および構造の関係を調べた。 成長カイネティクスに関しては,先ずMBE成長におけるステップ端で平衡がどの程度成立しているかを調べた。特にGaAsのMBE成長においてGa原子の蒸発速度がステップ間隔にどのように依存するかを調べることにより,ステップ端での過飽和度が20%以下であることを明らかにした。従来,MBE成長は非平衡状態で行なわれていると信じられていたが,本研究により平衡に極めて近いことが示された意義は大きい。 結晶表面の原子スケ-ルでの荒れは成長カイネティクスに大きな影響を与える。そこで氷結晶をモデルとして結晶の荒れと成長の振舞の関係を調べた。先ず結晶の核を気担で形成する。これを,過冷却の程度を色々変えた水に落し成長形態の観察を行なった。その結果,過冷却が低い時は平坦な面が,大きい時は荒れた面が現れ,Jacksonの理論と良い一致を示すことがわかった。
|