研究課題/領域番号 |
03243103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武居 文彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60005981)
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研究分担者 |
熊川 征司 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30022130)
平野 真一 名古屋大学, 工学部, 教授 (30016828)
小川 智哉 学習院大学, 理学部, 教授 (50080437)
小松 啓 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00108565)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
42,300千円 (直接経費: 42,300千円)
1991年度: 42,300千円 (直接経費: 42,300千円)
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キーワード | 固・液共存 / 酸化物超伝導体結晶 / STM観察 / ラマン散乱 / ゾル・ゲル法 / LiNbO_3膜 / IIIーV族結晶 / 超音波 |
研究概要 |
環境相が結晶成長に与える影響にはさまざまなものが存在する。ここでは環境相として液相を選び、その場観察を中心に現実系における現象を解析し、知識の集約に勉めた。まず溶液中に固相が混入した場合の役割について、酸化物超伝導体を具体例として取りあげ、解析を試みた。その結果、共存する固相と液相が化学反応を起こしながら、結晶成長に寄与していることが確認された(武居)。次に、STMを用いて直接固・液界面における原子ステップの動きを観察・測定することを試みた。現在MoS_2について、1.2nmのステップの観察や原子配列の観測が可能になっており、C軸方向の単位胞ステップも測定されるようになった。これからその動的観測を行う処である(小松)。固液成長界面の直接観察として光ファイバ-によるラマン散乱分光が行なわれた。本年度は第一段階としてZnSeの気相成長面の測定を試みた。気相と成長結晶のラマン線を同時に四本のファイバ-で測定し、その差を調べることが可能となった(小川)。有機金属化合物を出発原料に選び、この溶液を用いて基板上にディップコ-トした後、熱分解することによってアモルファス→単結晶膜に変化させることが可能になった。具体的には、LiNbO_3膜、(Ti,Sn)O_2膜などで、基板との原子レベルでの相互作用が重要な役割をはたしていることが明らかとなった(平野)。融液からの結晶成長では、結晶一融液界面における液相の動きが重要な役割を持っている。ここでは超音波振動を導入することによって育成困難なIIIーV族混晶結晶の均質化を試みた。その結果、超音波によって過冷却度が深さ方向で減少し、そのため均質化することがわかった。このことは計算機シミュレ-ションでも確認された(熊川)。以上からわかるように、環境相の与える影響が具体的実験事実として明らかにされつつある。今後は以上の諸点を堀り下げ、定量化することによってその機構をより明確に究明する。
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