研究課題/領域番号 |
03243202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 英男 北海道大学, 工学部, 助教授 (00152215)
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研究分担者 |
中原 純一郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (30013527)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 化合物半導体 / 有機金属 / MBE / MOCVD / 原子層エピタキン / ALE / トリメチルガリウム / GaAs |
研究概要 |
本研究では、化合物半導体の種々の清浄表面と有機金属との相互作用を実験的に明らかにしていくことを目的に、超高真空人で分子線エピタキシ(MBE)により成長したGAASの清浄表面に有機金属(トリメチルガリウム、TMGa)を照射し、その相互作用の様子をオ-ジェ電子分光でin Situに観測した。 特に、TMGaのメチル基の振る舞いを明らかにするために、オ-ジェ電子分光の炭素信号の時間変化に注目して実験を進めた。基板には、GaAs(001)面を用い、GaAsをMBE装置でエピタキシャル成長した後、オ-ジェ電子分光室に移送し、そこで加熱しながらTMGaを導入した。測定は、TMGaを停止後直ちに開始した。 その結果、(a)TMGaに100L程度GaAs表面を曝すことにより表面に炭素が観測される、(b)TMGaを停止後、炭素は指数関数的に減衰し、定常値に達する、(c)減衰の時定数は活性化エネルギ1.3ev、pre‐exponential factor 6.6x10 ^<-7>Sであらわされ、(d)炭素信号の初期値と定常値の比はほぼ2であって、(e)定常値は、装置付属の感度表を用いると約1モノレ-ヤ(ML、GaAs(001)表面のGaサイトの密度を基準にしている)と見積もられる、ことが判明した。 この炭素信号の振る舞いは、TMGaが分解してジメチルガリウムとなって表面に吸着し、その後、TMGaの供給を停止すると、メチル基が一つ脱離し、約1MLのモノメチルガリウム(MMGa)が表面に残ると考えるとよく説明できる。本研究の成果は、有機金属と化合物半導体表面の相互作用のダイナミクスを、in situに、かつ直接表面をスペクトロスコピックに観測して明らかにした、初めてのものである。
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