研究課題/領域番号 |
03243205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
蔡 安邦 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90225681)
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研究分担者 |
相原 智康 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00231100)
青木 清 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70124542)
井上 明久 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10108566)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1991年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 成長機構 / 準結晶 / 5回対称 |
研究概要 |
これまで、準結晶の凝固からの成長機講は知られていない。X線回析では準結晶の5回対称面が成長方向に配向していることから準結晶の優先成長方向は5回対称であるとされている。一方、形態観察では、準結晶は3回対称方向に沿ってデンドライト的に成長することが報告されている。従って、準結晶の成長機構は研究グル-プによって結論が異なっており、統一的な見解が得られていない。平成3年度において本研究は透過電顕とエネルギ-分散特性X線を併用して、準結晶の成長機構を解明する外、新たな事実を見出した。以下にまとめて述べる。 (1) 液体急冷法によって作製したA1ーPdーCr合金は冷却速度が大きい場合には3次元準結晶の単相が生成し、冷却速度が小さい場合には3次元と2次元準結晶との混相が生成する。単相生成の場合では3次元準結晶は5回対称方向に沿って面成長するが、混相生成の場合では3次元準結晶の5回対称面がくずれてデンドライト状の形態が現れる。 (2) 混相生成の場合では3次元準結晶の5回対称方向は常に連接した2次元準結晶の10回対称方向(周期方向)と一致している。また、2次元準結晶の成長方向は10回対称方向であることは知られている。これらを合せて考慮すると、3次元準結晶の5回対称方向は優先成長方向であると結論できる。 (3) 組成分析では3次元準結晶の溶質(Pd,Cr)濃度は2次元準結晶のそれより高いことが明らかになった。これは3次元準結晶が成長する際に固ー液界面前方で溶質原子の欠乏のために2次元準結晶に成り変る。 (4) 理想組成をもつ準結晶は5回対称方向へ面成長するが、組成がずれるか、あるいは冷却速度が小さい場合には5回対称の成長面は溶質濃度の欠乏による固ー液界面の不安定性が生じ、成長面がくずれてデンドライト状成長に変る。隣接あるいは連接しているデンドライトの5回対称面が互に平行していることが常に観察されることは、界面不安定性の考え方を支持している。
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