研究課題/領域番号 |
03243215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石澤 伸夫 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (90151365)
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研究分担者 |
丸茂 文幸 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (10013492)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1991年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | レ-ザ加熱装置 / X線その場観察 / ファイバ-結晶 / メタホウ酸バリウム / BaB_2O_4 |
研究概要 |
標記課題のもとに交付を受けた研究費補助金にて無機化合物ファイバ-結晶育成用レ-ザ加熱装置を作製した。レ-ザ発振装置はネオジム(Nd)を添加したイットリウム・アルミニウム・ガ-ネット(YAG)をレ-ザ発振体とし、マルチモ-ドで最大発振出力50Wを得る。これを同時2分割光学系を通して±5%以内の精度で2分割し、300μのGI光ファイバ-で加熱装置まで誘導し、ワ-クディスタンス50mmの出射光学部2台を用いて最小スポット経100μとなるように集光し、試料に照射した。2台の出射光学部はファイバ-結晶育成方向に対して約45゚の角度を保ち、180゚に相対する位置に固定した。現在、メタホウ酸バリウム(BaB_2O_4)、イットリア(Y_2O_3)、各種希土類(Ln_2O_3)を添加したジルコニア(ZrO_2)などの溶融実験を行いファイバ-結晶育成のための基礎的デ-タ線回折法によるその場観察を行い、その結晶成長と相転移を調べた。装置としては試料水平型ゴニオメ-タを用い、白金基板上に数10μの微小結晶をなるべく接触しないように配置し、室温から1200℃の温度範囲で試料X線回折プロファイルを収集した。低温型メタホウ酸バリウム(β‐BaB_2O_4)は925℃で高温型(α)になり、1105℃で融解する。このβーα相転移を調べたところ、β相を加熱してα相に相転移させた場合には中間状態として非晶質相を経由するこを見いだした。この非晶質相はBaB_2O_4組成の融液と推定され、この様な融液相が生成する理由をオスワルドのステップ則に基づいて解釈した。また、1105℃の融液を過冷却した時にβ相が初晶としてあらわれる場合の晶出温度が980℃であることを明かにした。このことはβ相の融点が980℃よりも高いとすると、やはりオスワルドのステップ則によって解釈出来る。β相の融点については昇温実験と降温実験とで矛盾があることを指摘し、今後の研究課題とした。
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