研究概要 |
分子線エピタキシ結晶成長過程を実時間で観察するために、動的RHEED観察装置を開発し、AlのAlAs(100)表面上へのエピタキシプロセス、ZnSe,ZnteのMBEあるいはALEによるホモエピタキシ過程を詳細に観察し、結晶成長機構が成長層厚とともに変化していく様子、格子歪緩和過程の様子、格子不整転位の発生とその結晶成長過程への影響等を明らかにした。注目すべき製果としては、(1)AlAs(100)面がAs安定化面の場合には、Alの結晶構造は最初の2〜3層までは体心正方格子(bodyーcentered tetragonal)を形成し、格子歪緩和とともに面心立方格子(fcc)に構造相を起こすこと、また、この臨界膜厚はGa安定化面では1〜2層となること、(2)GaAs(100)上にAlAs/Al/AlAsの半導体/金層/半導体の積層構造のエピタキシ成長が可能であること,(3)ZnTe,ZnSe等のIIーVI族化合物半導体のMBE,ALE過程のRHEED強度および強度振動の位相は、表面ストイキオメトリ-と強い相関があり、RHEED強度あるいは強度振動の位相を用いて表面ストイキオメトリ-評価が可能であること、(4)ZnSe,ZnTeのMBE/ALE成長過程について、前駆状態を考慮した現象論的モデルを基に結晶成長における表面過程をシミュレイションし、RHEEDの過渡変化の解析から得られた実験結果とよい一致を示し、IIーVI族化合物のMBE/ALE成長過程の理解をしたこと、である。 また、現有のSTMにRHEEDを取り付けたSTMーRHEED族合評価装置を開発し,Arスパッタにより非晶質化したSi(100)表面の固体エピタキシ過程,Si(III)面上でのAl吸着構造(√3×√3-Al)の原子配列の解明を、STMを駆使して行った。
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