研究課題/領域番号 |
03243227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
勝亦 徹 東洋大学, 工学部応用化学科, 助教授 (60204442)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1991年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 結晶成長機構 / 融液対流 / 結晶欠陥 / 酸化物単結晶 / ほう酸塩 / ブリッジマン法 / 気泡 / SAW素子 |
研究概要 |
融液から酸化物単結晶が成長する際の固液界面での不純物の挙動、欠陥の発生機構を明らかにする目的で、垂直及び、水平ブリッジマン法を新たに開発し、育成した4ほう酸リチウムの融液及び、成長した結晶について不純物、結晶欠陥を評価した。融液を急冷したガラス試料の赤外吸収法による水分の定量を行い融液に関する情報を得た。4ほう酸リチウム水の吸光係数はこの研究で初めて決定されたものを用いた。 4ほう酸リチウムの水分定量の報告例がないので、まず赤外吸収法による定量化を行った。50ppmから700ppmまで、様々な水分量の試料を作成し波数3500cm^<-3>の(-OH)吸収の強度を測定した。試料を溶融した際に放出される水を補集、定量する方法(MEA)を用い作成した検量線からモル吸光係数を決定し、定量を初めて可能にした。測定には設備備品費で購入した赤外分光器を用いた。 単結晶の育成には、成長条件の設定、成長中の温度測定が容易なブリッジマン法を用いた。環境相(融液)の対流による物質輸送が大きく異なる水平ブリッジマン法及び、垂直ブリッジマン法による4ほう酸リチウム単結晶の成長をグラファイト容器を用いて初めて可能にした。水平ブリッジマン法では、幅25mm長さ140mmの結晶が、垂直ブリッジマン法では、直径約75mm、長さ40mmの結晶が育成できた。成長装置の温度環境測定には設備備品費で購入した多点温度測定装置を用いた。成長に必要な消耗品の購入には消耗品費を充当した。 異なる融液対流のもとで作成したガラス及び、単結晶の水分含有量、分布を赤外吸収法で評価した。これと欠陥(気泡)密度との比較から、欠陥発生機構の検討を行った。4ほう酸リチウム融液への水の溶解度は結晶の5倍以上にのぼり、溶解度差による界面付近での水分濃度の上昇と、これによる気泡の発生が示唆された。
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