研究課題/領域番号 |
03244202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (30134638)
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研究分担者 |
永宗 靖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20218027)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 量子細線 / 量子箱 / MOCVD結晶成長 / 選択成長 / 超高速半導体レ-ザ / バンド理論 / 歪量子効果 |
研究概要 |
本研究は、量子細線やや量子箱などの多次元量子井戸構造を有する半導体レ-ザの超高速化の可能性および極限性能について、理論的・実験的に明らかにすることを目的としている。 本年度は、まずMOCVD選択成長によるGaAs量子細線の作製と光学的性質をおこなった。SiO_2パタ-ン上にMOCVDを用いて選択成長をおこなうことにより、一辺200nm程度のGaAs量子細線を作製することに成功した。フォトルミネッセンス(PL)スペクトルの測定により、量子細線に対応する量子準位が明確に存在することがあきらかになった。さらに、GaAs量子細線の磁気を測定しその磁場印加方向依存性を測定した。3種類の磁場印加方向に対して、量子細線からのPLのピ-クの磁場増加に伴う移動の様子から、量子閉じ込めの異方性を明らかにした。これらの結果は、われわれが作製したサンプルには量子細線効果が確かに存在していることを示している。次にGaAs量子細線のピコ秒キャリアダイナミックスを究明した。GaAs量子細線のPLを低温においてピコ秒分光により測定することによりGaAs量子細線中の励起子の寿命がGaAs量子井戸と比べて長いことを初めて見い出した。さらに高励起状態における時間分解PLスペクトルを測定することにより電子温度、キャリア濃度の振舞いを究明した。この結果、量子細線では電子温度は量子井戸と比べて下がりにくいことが明らかになった。また、量子細線のバンド構造を強結合法を用いて求め、量子井戸と大きく異なることを示した。また、この結果に基づき量子状態の断面形状依存性、遷移行列の偏波面依存性を明らかにした。また、歪量子細線レ-ザについてもバンド計算および特性解析をおこなった。
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