研究概要 |
レ-ザ-プラズマ軟X線吸収分光法を時間分解測定法として新たに開発し、この手法の有効性を示した後、IV族固体のシリコン(Si),ゲルマニウム(Ge)及びカ-ボン(C)のレ-ザ-アブレ-ションによって生成される超微粒子の形態、電子状態について調べることが、本研究の主目的である。 本年度は、新しく設計,製作したレ-ザ-プラズマ軟X線分光装置について、ナノ秒パルス軟X線の発生と検出のための基礎実験を行い、次に、その分光測定を試みた。具体的には、種々のレ-ザ-タ-ゲットを使用してX線源のテストを行い、100eVから1keVまでのパルスX線に対する斜入射X線光学系(トロイダルミラ-,ポリクロメ-タ-)と検出器系の調整により、発生したパルス軟X線のスペクトルを調べ、基礎デ-タの集積を行った。装置は、20J出力のNd:YAG/ガラスレ-ザ-(パルス幅:10ns)と真空チェンバ-とその中のX線光学系・検出器系等からできている。レ-ザ-基本波(1.06μm)を7Jの第2高調波に変換し、真空中のタ-ゲット(Al,Ti,Fe,Cu,Mo,Au)に照射し、発生プラズマから放出されたパルスX線をトロイダルミラ-で集光した。その後にポリクロメ-タ-で分光し、1024チャネルのマイクロチャンネルプレ-トで検出する。本実験から、100eVから1kaVまでの軟X線分光単発測定が可能であることが判明した。更に高エネルギ-側の測定も試み、X線の発生している所まで検証することが出来た。
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