研究課題/領域番号 |
03246214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小松 晃雄 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90047134)
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研究分担者 |
飯田 武 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047191)
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学部, 助手 (20212392)
唐沢 力 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90106336)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 層状結晶 / 沃化ビスマス / メゾスコピック / 量子閉じ込め効果 / 歪誘起積層欠陥 / 静水圧効果 / カチオニック励起子 / 電子状態 |
研究概要 |
(1)歪誘起により生じる積層欠陥の制御と光スペクトルの関係をBil_3で調べた。試料のへき開、折り曲げ、ずれ応力印加で歪誘起積層欠陥を生じさせると最大で10^2cm^<-1>程度の吸収係数となる。これら吸収線の発現した試料を熱処理すると吸収強度が制御できることが分かった。アンビルセルを用いて圧力媒体を低温で固体にして、圧力を印加すると、非静水圧効果により試料全体に均一で高密度に吸収線を発現させることが可能であり、前記の方法より、少なくても1桁以上吸収係数を大きくできることが分かった。石英基板を用いて極薄膜単結晶試料を作成し、急冷してスペクトル測定を行うとさらに歪誘起積層欠陥が高密度に得られることが分かった。この方法は今回購入の設備を活用し、今後さらに研究を積重ねていく。 (2)Bil_3結晶と同じ対称性を有するSbl_3結晶で、ディスク状メゾスコピック系の存在を非静水圧印加法で調べた。Sbl_3結晶では1.5GPaの高圧下でBil_3のW吸収線と類似の吸収線が発現した。常圧に戻すとBil_3では、吸収強度を保ったまま吸収線が残るのに対し、Sbl_3では消失し、安定に存在しないことが分かった。この違いを結合様式の僅かな差異によるものと考えた。このことはラマンスペクトルの圧力依存性は両結晶で異なるがSbl_3では1.5GPa以上の圧力下でBil_3の示す特性に近づいていくのが観測されたことと良く対応する。 (3)ディスク状メビスコピック状態の電子物性を調べる目的でピコ秒レ-ザ-光励起下での発光スペクトルの時間的応答を調べた。発光の減衰時間は非指数関数的であるが、早い成分と遅い成分に分けられる。W線のスペクトル領域を細分して区間毎に時間特性を調べると、ピ-クより高エネルギ-側では立ち上がりに遅延がみられた。発光線のこれらの示す特徴をカチオニック励起子準位の特性から期待される準位間の暖和と、サイズ効果に起因する特性とに分離して理解できるとの見通しが得られた。 (4)Bil_3のW^I線の光学的シュタル効果を調べた。積層欠陥励起子系で得られているのと同程度のシュタルクソフトが観測され、大きな非線形感受率を有する系であることを示唆する結果が得られた。
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