研究課題/領域番号 |
03247205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
飛田 和男 埼玉大学, 教養部, 助教授 (20133704)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 数値的対角化 / ストリングオ-ダ- / ダイマ-展開 / ハイゼンベルグモデル / ハルデンギャップ / 反強磁性 / プロジェクタ-モンテカルロ法 / 量子スピン流体 |
研究概要 |
本研究で取り扱うスピン系は、各格子点上の2個のスピンのユニットが、更に互いに相互作用し合う構造を持つ。このような系では各ユニットの実効スピンは整数や半奇数でない中間的な値をとりうるため、各ユニットに一つのスピンを持つスピン系をより広い視点から見直し固有状態の物理的描像を明確にすることができる。 特に、本年度は主に次の2つのモデルの基底状態の研究を行った。 (1)スピン1/2の2層2次元反強磁性ハイゼンベルグモデル この系は、面間相互作用J'が面内相互作用Jに比べて大きくなると反強磁性相から無秩序相に転移する。この転移点及び臨界指数をプロジェクタ-モンテカルロ、ダイマ-展開により調べ、この転移が普通の2次元反強磁性ハイゼンベルグモデルではスピン1/2でも実現しない量子スピン流体相への転移に対応することを示した。 次年度は、さらに高次のダイマ-展開の振舞いや、ド-プしたときの超伝導の可能性についても調べたい。 (2)スピン1/2の交替型ハイゼンベルグ鎖 交互にJ(>0)とJ'の2種の相互作用をもつハイゼンベルグ鎖(HC)を考える。この系はJ=J'ではスピン1/2の反強磁性(AF)HC、J'=0で完全な局在シングレット、J'→-∞ではスピン1のAFHCとなる。 数値対角化、ボゾン化、J'展開等で求めたストリングオ-ダ-、ギャップのJ'依存性からダイマ-相(J'〜J)とハルデン相(J'→‐∞)は単一の相で、共に局在シングレットが相互作用J'にかかわらず生き残る状態であることが分かった。また、こう考えるとハンデンギャップに対する異方性効果や励起状態の波数も直観的に理解できる。 現在、異方性の効果についてさらに詳しく計算を行いつつある。
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