研究課題/領域番号 |
03247207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤原 毅夫 東京大学, 工学部, 教授 (90011113)
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研究分担者 |
新井 正男 東京大学, 工学部, 助手 (40222723)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 第一原理分子動力学法 / 半導体一金属界面 / イオンクラスタ-ビ-ム法 / 自己相互作用補正 / 絶縁体バンドキャップ / 固体水素 |
研究概要 |
(1)金属表面及び界面の安定構造:第一原理分子動力学法は主として半導体を念頭において開発されてきた。金属系では原子配置が動的に変化していく過程でフェルミ準位近傍の準位の組み換えがおこり、従来の方法は満足のいくものではなかった。本研究では熱力学ポテンシャルに対する変分原理の導入により、自然な形での金属系への拡張を行った。さらに、この方法をSi(001)面上に成長させたAl(110)溥膜の構造を調べることに用いた。Si(001)清浄表面に、イオンクラスタ-ビ-ムにより、遷移層なしでAl(110)面を成長させることができる。計算ではSi表面にAl原子を1個から序々に原子数を増やして原子を吸着させることを試みた。その結果は原子数を増やすと、Si表面のダイマ-構造は消滅し、むしろ理想表面に近づく振舞いを見ることができた。 (2)強い相関のある系における電子状態:酸化物高温超伝導体など電子相関の強い系を取り扱うため、自己相互作用補正を取り入れたスピン密度汎関数法を開発している。自己相互作用補正を取り入れた全エネルギ-を最小化する変分原理に基づいて、電子波動関数を決める。電子状態計算の枠組としては、我々の開発した局在化マフィン・ティン軌道法を用いている。現在のところ、固体水素をモデル物質として計算を試みている。固体水素の場合は、自己相互作用補正を導入することにより、原子密度の関数として絶縁体反強磁性領域が広がり、又磁気モ-メントやバンドギャップは増大する。しかし、一方ではこの方法によって金属一絶縁体転移が正しく記述することが出来るかどうかは、これからの詳しい検討が必要である。
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