研究概要 |
本年度の活動を有効場の分布関数による方法,Pffafianによる方法,Isingマシ-ンによる方法に分けてのべる。 1)有効場の分布関数による方法で,Bethe格子上の±J Isingモデルを考える。単ボンド有効場hの分布関数をg(h)とし,そのFourier変換をS(x)とする。S(x)のみたす非線型積分方程式を用いて,系の自由エネルギ-をFとしたとき,F=(1-1/2Z)F,+1/2ZF_<21>,βF_1=∫^∞_<-∞>1/(2Y)cosech(πY)/(2β)[S(Y)]^zdy,βF_<21>=∫^∞_<-∞>(cesY)/(2Y)cosech(πY)/(2β)[S(Y)]^<z-1>dZとなることを示すことが出来た。 2)Pffafianの方法でN=L(L+1),L=4,6,8…200の正方格子上の±Jランダムイジングモデルの状態和および比熱を求めた。p(強磁性ボンドの濃度)=0.98〜0.88について比熱がlog発散か,donbleーlog発散かを検討した。p≧0.96ではlog発散の方がよくフィットする。またTcの値を,比熱の極下から求めた値と,相関関数から求めた値とを比較して,p≦0.92では差異があることを見出し,後者を用いるべきことを示した。 3)Isingマシ-ンmTIS2の供与を受けたプログラムを改造して,平均磁化の他に磁化のゆらぎを求めること,各ラン毎の磁化の分布を画面およびプリンタに表示することが可能になるようにした。これを用いて1次元および2次元反強磁生体の,温度および磁場を変えたときの磁化のゆらぎを測定した。各温度で磁化のゆらぎが最大となる磁場を求め,これより2次元反強磁生体の相境界を定めた。この値をMullerーHartmann&Zittartzの理論と比較した。 4)計算機物理学のための数式処理システムREDUCEについて有用なProcedureを作成し,また発見したバグの修正を行った。
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