研究課題/領域番号 |
03248209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 正和 京都大学, 化学研究所, 教授 (90027037)
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研究分担者 |
宗林 由樹 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (50197000)
木原 壯林 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60161543)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 有機金属化合物 / 水溶液内反応 / スペシエ-ション / モノメチルゲルマニウム / ジメチルゲルマニウム / トリメチルゲルマニウム / モノメチルアルソナス酸 / ジメチルアルシナス酸 |
研究概要 |
本研究では、GeとAsのメチル化物に着的し、これらの化合物の海洋での動態を考察するための基礎として、水溶液内反応について検討し、スペシエ-ション法の開発を行った。 1.モノメチルゲルマニウム(CH_3Ge(OH)_3)、ジメチルゲルマニウム((CH_3)_2Ge(OH)_2)、トリメチルゲルマニウム((CH_3)_3GeOH)および無機ゲルマニウムのハロゲン化物生成反応について詳細に検討し、メチル基が中心Ge原子の錯生成挙動に及ぼす影響を明らかにした。また、有機および無機ゲルマニウムの塩化物の溶媒抽出法による分離法を開発し、ICPー原子発光法によるゲルマニウムの高式度定量法を確立した。しかし、現在のところ海水の分析法を確立するには至っておらず、検討を続けている。 2.生物による有機ヒ素合成の重要な中間体であり、還元環境下では化学反応によって生成する可能性があるにもかかわらず、従来分別定量されなかった、モノチメルアルソナス酸(MMA(III);CH_3As(OH)_2)、ジメチルアルシナス酸(DMA(III);(CH_3)_2AsOH)の水溶液内反応について検討した。MMA(III)、DMA(III)は無機As(III)に比べて空気酸化を受けやすいこと、AsーC結合は速度論的に安定であることが分かった。メチルヒ素化合物の水溶液中での溶存種について、NMRおよび液々抽出法によって検討した。その結果、MMA(III)、DMA(III)は、海水中に無電荷のヒドロキソ錯体の形で、一時的な溶存種として存在しうると推定された。さらに、ジエチルアンモニウム・ジエチルジチオカルバミン酸(DDDC)を用いる溶媒抽出法が、3価ヒ素化合物の分離濃縮法として有望であることを見い出した。現在は、DDDCによる分離濃縮と、水素化物発生ー原子吸光法を組み合わせた海水中の3価ヒ素のスペシエ-ション法を開発中である。
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