研究課題/領域番号 |
03249101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
花見 仁史 岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (00212150)
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研究分担者 |
坪井 昌人 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (10202186)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 星間物質 / 階層性 / パタ-ン認識 / 乱流 / 不定型 / 間欠性 |
研究概要 |
分子雲の階層的構造を定量化する方法を確立する事を目指した。分子雲の乱流的、間欠的性質は、流体とのそれと共通性がある事に着目して、この分子雲の階層的構造をウェ-ブレット解析によって記述する試みをおこない、分子雲観測デ-タなどをウェ-ブレット解析できるプログラムを開発した。これに先だって、解析に用いる展開関数の最適なものを選ぶために、可能な部分の数学的準備を行ってきた。このなかでウェ-ブレット展開関数として主に2種類のものが有用であることがわかった。一つは、実空間で、もう一つは、波数空間でコンパクトなものである。これから、デ-タが離散的である場合は前者、比較的なめらか場合は後者と使い分ける事が良いことがわかった。さらに、前者の場合はプログラムをツリ-構造に、後者の場合は、FFTを用いると計算の高速化がはかれる。この高速化で、ワ-クステ-ション上でも処理がある程度可能である事がわかった。この計算の高速化の原理と計算に必要なメモリの軽減化については両立する事が望ましく、必然的にこの解析法が適している事が認識できた。この高速化で、ワ-クステ-ション処理可能性が出てきた。従って、ワ-クステ-ションの価格が下がった事と二次元画像処理がこの計画推進上好ましい事が明らかにもなった為、ワ-クステ-ションシステム主要部分を購入した。このシステム上でも開発したプログラムを起動させ、画像表現する事が一部可能となった。さらに視覚の計算理論的研究から明かとなった視覚受容野の空間周波数特性がウェ-ブレット展開関数と非常に酷似している事も明かとなった。この認知科学の成果に、当該分野における我々のアプロ-チは刺激される部分が非常に大きい。この手法と人間の視覚情報処理との共通性は、デ-タ解析方法の探求から得られた形式が人間の認識過程に酷似し、不定形を記述する方法が従来の物理学の視点に欠けている事を思い知らされた。数学の手法やアルゴリズムで記述できる認識過程の形式化も確立可能な段階から進めていく必要性を感じた。一方、解析の結果を旨く再現する物理的、天文学的モデルを再構築するため、理論的研究も行った。系の間欠性にともなう不均一性の原因としては、様ざまな不安定性が考えられる。これには、これまでの我々がもちいてきた磁気流体、プラズマ物理の手法と経験もいかした。具体的には大型計算機センタ-で数値シミュレ-ションを行った。
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