研究分担者 |
山下 晃一 基礎化学研究所, 主任研究員 (40175659)
長村 吉洋 慶応義塾大学, 理工学部, 講師 (50160841)
岩田 末廣 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (20087505)
田中 皓 北海道大学, 理学部, 助教授 (00000860)
中川 直哉 電気通信大学, 自然科学系列, 教授 (60017324)
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研究概要 |
実験および観測グル-プとの連携のもとに,重要と思われる星間分子候補の構造や反応機構をab initio分子軌道法を用いた量子化学計算によって明らかにするのが本研究班の目的である。研究成果を列挙すると, 1.星間分子候補として含Si,含Mg化合物の構造と電子状態の計算を行った。特にMgCの基底状態と励起状態の詳細な計算を行い,基底状態 ^3Σ^ーから ^3Πへの光励起は解離型であると予測した(平野)。 2.未同定ライン(B=5967MHz)に関して量子化学計算による候補分子としてMgNC(平野),SiNNH(岩田)を提案した。 3.H_2C_5の構造と反応性の計算(村上),C_3H_3^+とC_3H_3の構造予測(村上),環状C_3Hの安定構造(C_2vであった)(田中)やNaCCの平衡構造(B=4836MHz)(田中)の予測などを行った。 4.星間塵に関連してMgOやAlOのクラスタ-の構造と反応性を計算し,2量化反応は大きな発熱反応であることを示した(中川)。 5.BeOの結合エネルギ-とポテンシャル曲面を計算した(岩田)。 6.OCSの光解離反応のポテンシャル曲面の計算および放射会合反応の機構を計算した(岩田)。 7.炭素を含む星間分子CnHの反応連鎖スキ-ムの各素過程を量子化学計算によって検討し,鈴木博子説が妥当であると結論した(長村)。 8.イオン分子反応C_2H^++H_2→の極低温における負の活性化エネルギ-を反応初期における2分子錯合体の形成とそれに続くトンネル効果で説明した(山下)。
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