本年度は、外力のない自由な宇宙ひもの運動方程式とボソン星についての線形摂動の公式化をおこなった。宇宙ひもについては、従来の取り扱いでは、いわゆる南部作用が用いられていた。その場合、宇宙ひもの線密度と張力が等しいことが仮定されるが、これが成立するのは無限に伸びたまっすぐな宇宙ひもだけである。一般的な情況では、これが成立せず、戒とはそのような場合の運動方程式を論じた。それによると宇宙ひもにカスプができるような情況では、線密度が減少し、〓クブができる前に宇宙ひもがちぎれてしまう可能性があることが示された。 ボソン星については、その非球対称的な摂動により重力波の放出を計算するため、レッジ-ホイ-ラ-流の線形摂動論を展開した。これによってス〓ラ-場のゆらぎか奇パリティ-のメトリックのゆらぎを引き起こすことが示され、基礎方程式系を導いた。その他、回転がある場合や非可換ゲ-ジ場と付合している場合の、平衡解を出す研究も進んでいる。 その他、ポスト・ニュ-トン近似を3+1形式で実行するための定式化や、速い速度の近似をつくるための試みもおこなった。後者については、ディラックが電磁気の場合に導入した相対論的な点粒子極限を一般相対論を応用する予備的計算をおこなった。
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