研究概要 |
本研究では半導体レ-ザ-において周波数の安定化を行ってそのコヒ-レンスを向上し,さらにこれを注入同期や光位相同期によって出力を増幅及びコヒ-レント重量を行って高コヒ-レントかつ高出力光を得る事が目的である。半導体レ-ザ-のコヒ-レンス向上に関しては既に1OHZ以下の線幅が光帰還法及び注入電流制御によって得られている。さらに今回は、従来の方法では取り除けなかったレ-ザ-の強度雑音の影響をFM変調法を用いて充分抑圧する事ができ,7OOHz以下の線幅を得る事ができた。今後さらに制御の最適化や,基準共振器の安定化を行えば,周波数雑音を調論的限界であるショット雑音で決まる値まで抑圧できると考えられ,この時の線幅は1mHz以下が期待される。一方,高出力化に関しては、コヒ-レンスを向上した比較的低出力のマスタ-レ-ザ-を多モ-ド発振する高出力スレ-ブレ-ザ-に注入同期を行ってスレ-ブレ-ザ-の単一モ-ド化及び高コヒ-レント化を行った。この結果、約1mwのマスタ-レ-ザ-注入パワ-に対して40mw以上において注入同期が確認され,スレ-ブレ-ザ-の線幅もマスタ-レ-ザ-とほとんど同じである事が確認された。この為、両レ-ザ-間の光位相同期を行う事ができ,さらに光出力の足し合わせ(コヒ-レント重畳)を行う事ができた。現在のところ足し合わせの効果はまだ必ずしも高くないが,今後モ-ドマッチングの精度を上げる事によって向上できると考えられる。この様に.今年度においては高コヒ-レント化及び高出力化の種々の方法が実験によって原理的に確認する事ができたため今後さらに実験を進めてその性能向上を行う予定である。
|