當初の予定を一部變更して以下の通り研究を行った。 重力レンズ効果は顕著な一般相對論的効果の一であるが我々が前年行った宇宙現存在の試験としての重力レンズ効果確率の計算には相當の興味が寄せられ、且ハツブル望遠鏡での観測計画に組入られたので其重要性に鑑み此研究を重点的に継続した。目的の第一は現在入手可能なる銀河に關する情報を用ひ出来る限り正確に確率を予言する事であり、第二は同様の試験を〓えて〓わる様な他のレンズ現象を探す事である。前者に關しては論文リストの通り發表済であり、後者はリスト(3)に一部含まれるが未發表である。 第二の課題として行った研究は重力波観測に於て最重要な重力源となるVirgo銀河團の距離決定と其形態の推定である。Virgo銀行團への距離推定は長年月に亘って行われて〓を〓〓であり其中心への距離は約15Mpcに落着しつつある様に思えるが、距離決定の有力方法であるTullyーFisher法を用ひると15ー22Hpcと應用の仕方に據り50%の誤差が出る。我々は此誤差を除く目的を以てVirgo銀河團に属する250ケの渦巻銀河の測光を行いTullyーFisher法を注意深く適用する事と據って、的〓Virgo銀河團の「中心」への距離は15Mpcである事、及び同銀行團は見掛けの大きさに比べて奥行が十倍程度拡ッており、〓〓〓著者に據って異る結果を待ていたと云う結論に到達した。此事は例ば重力波検出器の振幅より、重力波放出の効率を推定する場合奥行効果を考慮に入れる必要がある事を意味する。(未發表) 重力波放出自體に關する計算は予備的なものと留った。例ば量子色力學の有限温度相〓〓等は一つの候補であったが、其〓〓〓は二次であり重力波放出には全く〓写しない。更にインフレ-ションの〓〓物としての重力波と關して与備的な考察を行った。
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