研究課題/領域番号 |
03251108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
岩村 吉晃 東邦大学, 医学部, 教授 (20057508)
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研究分担者 |
星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
永野 俊 法政大学, 工学部, 教授 (30198345)
外山 敬介 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90090505)
津田 一郎 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (10207384)
斉藤 秀昭 玉川大学, 工学部, 教授 (30215553)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
31,500千円 (直接経費: 31,500千円)
1991年度: 31,500千円 (直接経費: 31,500千円)
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キーワード | 感覚中枢 / 情報処理の階層構造 / 運動の立体視 / 方向認知 / 表情の認知 / マスモデル / カオス的連接状態 / 相互結合型神経回路網 |
研究概要 |
感覚器、一次感覚野、感覚連合野、連合野の各レベルで研究がおこなわれた。実験的研究では、岩村は、サル中心後回の体性感覚野で記録したニュ-ロンの受容野デ-タを多数集め、前方の一次感覚野的性格から後方の感覚連合野的性格へと変化する体性感覚中枢における情報処理の階層構造を定量的に表現した。外山は、3次元視すなわち位置の立体視と運動の立体視のうち、後者の中枢であるネコのクレアビショップ野でニュ-ロン活動を記録し、3次元図形呈示装置で示した、接近(AP)離反(RC)、等距離運動(FP)の何れかの運動視差に選択的に反応することを見いだし、先天性の斜視をもつシャムネコではその機能が劣ることを示した。斉藤は、側頭連合野(IT)ニュ-ロンにおける情報表現を調べ、ランダムチェッカ-刺激の方向認知には、順方向反応の大きさそのものではなく、順方向反応と逆方向反応の差が寄与していると結論した。三上は、側頭極(TG野)ニュ-ロンの刺激選択性を調べ、側頭極が表情の認知の基礎となる視覚パタ-ンの識別と記憶の上位の中枢である可能性を示唆した。計算論的研究では、永野が、網膜神経節細胞のY型細胞を想定し、運動方向選択性、速度選択性などを説明するモデルを考え、その動作を調べた。この結果からヒトの運動方向選択機能は、様々なパラメ-タセットを持つたくさんのモデルの集まり(マスモデル)であると結論した。津田は、ミニコラム内の神経回路網を模した非線形神経モデルがカオス的連接状態にあるとき、外部から新しいパタ-ンを入力し、ヘブシナプスを働かせることで回路網の学習能力を調べ非線形回路網の応答にとって、カオスは極めて有効に働くと結論した。星宮は、任意時系列の符号化・短期記憶・再生の神経機構にかかわる脳のモデルを提唱し、ダイナミクスを有する相互結合型神経回路網の持つ時系列処理能力の研究から、筋運動調節機能の表現を試みた。
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