研究課題/領域番号 |
03251208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
大江 千廣 群馬大学, 医学部, 教授 (40010227)
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研究分担者 |
堀越 悟 群馬大学, 医学部, 助手 (00209298)
川島 康宏 群馬大学, 医学部, 助手 (60204723)
柴崎 尚 群馬大学, 医学部, 講師 (20106925)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PETスキヤン / 脳局所酸素代謝 / 記憶 / 脳腫瘍 / 脳局所血流 |
研究概要 |
“前日の出来事を経過を追って思いだし、喋る"という日常よく行なっていることを課業として用いた時の脳の賦活のされ方をポジトロンを用いて局所脳血流量や局所脳酸素代謝率の変化を指標として調べた。この課業を行なうには、課業を行なおうとする意志やその遂行のためのプログラミングに関する機能、記憶に関する機能、言語機能、口や舌、咽頭の運動およびその強調に関する機能などさまざまな機能が要求される。したがって、本課業により被検者の脳の多くの部位で局所脳血流量、脳酸素代謝率の増加が見られる。正常人では左大脳半球のシルビウス裂周辺部、いわゆる言語野や反対側のシルビウス裂周辺部、両側の前運動野、補足運動野などが特に賦活された。 本方法はさまざまな病変を持つ患者の脳の機能の研究にも応用することが出来る。例えば脳に占拠性病変を持つ2症例(40歳、右利き男性、左視床腫瘍(astrocytoma)、及び37歳、右利き男性、右側頭葉クモ膜嚢胞)では、いづれも意識障害なく、日常会話は普通に可能であったが、局所脳血流においても局所脳酸素代謝率においても病巣と反対側のシルビウス裂周辺部、とくにブロ-カ野に相当する右前頭葉で増加が著しいことが明らかにされた。病変を有する脳では、脳の機能の障害に応じて賦活のされかたの違いがあり、正常人とさまざまな障害を有する患者の脳の賦活のされかたを比較することにより、障害を有する脳の統合機能の特性、ひいては正常人の脳機能の解明に近付くことが出来ると考えられる。
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