研究課題/領域番号 |
03251227
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
久場 健司 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60080561)
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研究分担者 |
熊本 栄一 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60136603)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 海馬ニュ-ロン / 中隔野ニュ-ロン / 共焦点レ-ザ-顕微鏡 / 紫外レ-ザ- / 細胞内Ca^<2+> / 電位依存性Ca^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離 / Ca^<2+>チャンネル / グルタミン酸受容体 |
研究概要 |
紫外レ-ザ-を応用した共焦点走査顕微鏡と従来の顕微蛍光法に膜電位固定法を併用し、単一ニュ-ロンに入力する異なる多くのシナプスの促進機序(ブ-スタ-)として働くニュ-ロン内Ca^<2+>上昇の新しい機序を、中枢モデルニュ-ロンを使って明らかにし、更に、中隔野ニュ-ロンで異なるシナプス入力の同定を行なった。中枢ニュ-ロンのモデルとしての培養したウシガエル交感神経節細胞での脱分極パルスによるCa^<2+>電流と細胞内Ca^<2+>の一過性上昇(Ca^<2+>応答)は、細胞外からのCa^<2+>流入に完全に依存するが、その大きさはCa^<2+>流入量(Ca^<2+>電流の積分値)に比例せず、Ca^<2+>流入量が大きければ大きいほど大きくなる。又、Ca^<2+>応答は、繰り返しパルスにより促進され、ライアノジン(50μM)やダントロレン(10μM)で30〜50%に抑制され、更に、単位Ca^<2+>流入あたりのCa^<2+>応答は膜電位依存性(-40mV〜0mVの範囲)を示す。共焦点レ-ザ-顕微鏡により、このCa^<2+>応答時の細胞内深部へのCa^<2+>伝播波の速度は、膜直下で非常に速く、その後深部で数倍以上遅くなる。従って、表面膜が脱分極した時のみ、細胞膜と何らかの機能的結合を持った細胞内オ-ガネラから、細胞外から入ったCa^<2+>により、Ca^<2+>が遊離されることが解る。脳のニュ-ロンには、ライアノジン受容体の存在することが解っているので、膜興奮や、種々のシナプス入力により起こる細胞内Ca^<2+>上昇機序に、この電位依存性Ca^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離機序が増強機序(ブ-スタ-)として作用することが考えられる。このブ-スタ-は遅い持続性の興奮性入力による表面膜の脱分極時に働くことが期待される。海馬ニュ-ロンでのCa^<2+>応答の実験の進展は見られなかったが、このシナプス入力としての中隔野ニュ-ロンに膜電位固定を行い、キスカル酸とカイニン酸タイプ及びNMDAタイプの受容体チャネルが存在すること、GABAとグルタミンには殆ど全てのニュ-ロンで応答することが解った。
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