研究分担者 |
堅田 利明 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10088859)
今井 昭一 新潟大学, 医学部, 教授 (60013869)
飯島 俊彦 秋田大学, 医学部, 教授 (30004724)
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
中谷 晴昭 北海道大学, 医学部, 助教授 (60113594)
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研究概要 |
1)単離心筋細胞の細胞内潅流を行いつつ,パッチ電極法により膜電流を記録解析することにより,アラキドン酸代謝系がI・K_<ACh>チャネルを活性調節すること,これが血小板活性化因子によっても活性化されることを示し,新しい情報伝達系を提示した(杉本)。 2)細胞膜を介する情報伝達系において,受容体,G蛋白,効果器系分子間の相互作用を制御する,新しいタイプの細胞内因子を中枢神経系に見出した(堅田)。本情報伝達系において,Cキナ-ゼ系やAキナ-ゼ系が,cーmycやcーfos遺伝子の発現を促進することを見出した。また,ras p21GAP以外にras p21などのGDP/GTP交換反応を調節する活性制御蛋白を精製している(貝淵)。 3)α受容体サブタイプ選択的拮抗薬を用いて,収縮性調節とP1代謝回転とは強い関連性を持つことを明らかにした(遠藤)。β受容体刺激時にはα受容体刺激時とは反対に細胞内pHが低下し,これはNaーK交換系を介さないことが見られた(中谷)。β受容体刺激時の,IcaとIkに対する作用の相違が明らかにされ,その細胞内情報伝達機構の差異が検討されている(飯島)。Cyclic GMP/Gーkinaseによって燐酸化されCa^<2+>ーATPaseと考えられてきた蛋白が,実は別の物であることを証明した(今井)。 4)細胞内代謝産物ないしはoxidative stressの心筋細胞Kチャネルに対する作用,ATP感受性Kチャネルの病態生理学的役割が示された(中谷)。 5)ミトコンドリア塩基配列を迅速に解析する体制を整備し,30例以上のミトコンドリアDNA病患者に於ける遺伝子変異を報告した。また,酸化的DNA障害の程度と変異ならびに欠失等との間に正の相関があることを示した(小沢)。
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