研究課題/領域番号 |
03253206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀江 稔 京都大学, 医学部, 助手 (90183938)
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研究分担者 |
小森 優 京都大学, 医学部, 助手 (80186824)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 単離モルモット心筋細胞 / パッチ・クランプ法 / βアドレナリン受容体 / プロテインカイネ-スA / クァ-ル電流 / GTP総合タンパク / (虚血に伴う不整脈)心室性不整脈 |
研究概要 |
虚血とくに心筋梗塞発症に伴う不整脈は、その致命率が高いににも関わらず、発生機序が現在、十分に解明されているとはいえない。現在、一般に、局所的な心筋不応期dispersionが傷害心筋と健常心筋との間に生じミクロ・リエントリ-回路が形成されることが一因とされる。心筋不応期はその活動電位の持続時間(APD)に対応している。虚血時に想定されるカテコラミンの上昇が、βアドレナリン受容体を介してどの様な影響を単離心筋細胞レベルで与えるのか、今回、C1電流に注目しパッチ・クランプ法ならびに細胞内潅流法を用いて細胞内活性物質をコントロ-ルしながら検討した。イソプロテレロ-ル(Iso)はβアドレナリン受容体刺激によりC1電流を増加した。このIsoにより誘発されるC1電流はforskolinやcAMPの細胞内潅流でも活性化する。またProteinkinaseーAの阻害剤によりこれらの薬物で増加した電流は完全に抑制されることからAーkinaseを介したチャンネルの燐酸化により電流が調節されていることが明かとなった。Isoによる刺激は促進性GTP性合蛋白(Gprotein)を介してアデニレ-ト・サイクレ-ス(AC)に伝達される。従ってカルシウム電流の場合と同じくムスカリン受容体刺激によりGproteinを介してIsoあるいはforskolin感受性C1電流は抑制される事が示された。この作用は抑制性Gproteinを選択的に脱共役する百日咳毒素であらかじめ細胞を処理しておくと消失してしまうことからGprotein依存的であることが証明された。おもしろいことにcAMPの細胞内負荷により、ACよりも下流でC1電流を活性化するとムスカリン刺激による電流の抑制は見られなかった。電流の不活性化はAーkinaseによる燐酸化による。serine/threonine残基の燐酸化部位を特異的に脱燐酸化するprotein pho部位の脱燐酸化によるsphatases 1,2Aの阻害剤であるオカダ酸を細胞内潅流することによりこれらのphosphatasesが少なくとも一部に関与していることを示した。
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