研究課題/領域番号 |
03254206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
二井 將光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50012646)
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研究分担者 |
田村 茂彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90236753)
森山 芳則 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10150658)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 壁細胞 / H^+ / K^+ーATPase / 胃酸分泌 |
研究概要 |
胃粘膜の壁細胞には胃酸分泌酵素H^+/K^+ATPaseが存在している.H^+/K^+ATPaseはATP水解のエネルギ-によって細胞外へH^+を輸送し同時に細胞内へK^+を輸送するイオン輸送性ATPaseである.H^+/K^+ATPaseはα、βの2種のサブユニットからなりいずれも壁細胞において特異的に転写されている。胃酸分泌は神経、ホルモン等の支配を受けており転写調節がどのレベルで行われているか興味深い。本研究ではヒトおよびラットαサブユニット、ラットβサブユニットの遺伝子を単離し塩基配列を決定した.さらに2つのサブユニットの遺伝子の転写調節に関与すると考えられるDNA結合蛋白質が存在することを示した.以下にこれらの知見を要約する。(1)αサブユニット遺伝子の5′上流域で保存された配列を含むDNA断片をプロ-ブとして転写調節因子の存在について検討した.その結果TAATCAGCTG配列を特異的に認識するDNA結合蛋白の存在を示唆する結果を得た.この蛋白質は肝、脳充、肺、等には存在しなかった。この蛋白はブタの胃粘膜核抽出液からも検出することができた。(2)さらにラットβサブユニット遺伝子を単離し、塩基配列を決定した。この遺伝子の上流に特異的に結合する蛋白質を同定することができた。この蛋白質はαサブユニット上流を認識するものと同じであることを推定した。以上の結果は2つのサブユニットが同様に転写調節を受けていることを示唆している。(3)2つのサブユニットのmRNAを調節しアフリカツメガエルの卵母細胞に導入し、翻訳されることを確認した。さらにβサブユニットは異なるイオン輸送性ATPaseであるNa^+/K^+ATPaseのβサブユニットの代りになることを明らかにした。Na^+/K^+APTaseのα、βサブユニットの遺伝子上流域はH^+/K^+ATPaseのものとは全く異なるが対応するサブユニットの一次構造は類似性が高い。
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