研究課題/領域番号 |
03255106
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
安藤 進 (財)東京都老人総合研究所, 生体膜部門, 研究部長 (30073000)
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研究分担者 |
桃井 隆 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究, 室長 (40143507)
小宮 義璋 群馬大学, 医学部, 教授 (50010046)
加藤 宏司 山形大学, 医学部, 教授 (30006746)
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所・神経化学研究部門, 教授 (60013976)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研究所・神経化学部門, 助教授 (50010103)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1991年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
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キーワード | ガングリオシド / 神経系 / 神経発生 / 脳老化 / シナプス可塑性 / 長期増強 / カルシウムチャネル / 神経突起伸展 |
研究概要 |
神経系の形成と神経機能の調節に関わるガングリオシドの役割を明らかにすることを目的として以下の検討を行い、新しい成果と今後の解決するべき問題が示された。(1)コリン作動性ニュ-ロンに特異的なガングリオシドが初めて明らかにされた。A系列とα系例のハイブリッド型の新しいガングリオシドで、トリシアロ体とテトラシアロ体の二種類が見い出された。今後、コリナ-ジック機能との関わりの解明が急務となってきた。(2)神経機能の基本をなすシナプス伝達におけるガングリオシドの役割を検討した。神経細胞レベルでの記憶の機序として注目されている海馬シナプスの長期増強が、ガングリオシド存在下に大きく誘発されることがわかった。老齢脳の可塑性を高めるためにガングリオシドを応用する明確な根拠になるものと期待される。(3)ガングリオシドの各種イオンチャネル機能に対する効果を調べるため、脳ωーコノトキシン感受性カルシウムチャネルに結合してその活性を制御していると考えられる2種のタンパク質を同定した。一方、カルシウム、ナトリウム電流におよぼすガングリオシドの効果をパッチクランプ法で調べる準備をしている。(4)脳形成期のガングリオシドの役割を調べるために、胎児脳神経線維先端の成長円錐を単離して、膜タンパク組成とガングリオシドを含む膜脂質の分析を行った。成長円錐から成熟シナプスに至る方化を明らかににした。(5)神経細胞に分化するP19細胞を用いて、cーjun遺伝子を恒常的に発現するC2C5細胞をつくった。C2C5細胞はTPA処理でニュ-ロフィラメント強陽性となり、ガングリオシドGM3は消失したことから、cーjun遺伝子によるGM3の一過性制御が示唆された。(6)ニワトリ受精卵にレチノイン酸注入で多重神経管形成モデルを初めてつくった。抗ガングリオシドモノクロ-ナル抗体を用いて、胎児性C系列ガングリオシドの発現をみたところ、細胞分化よりは神経成長に関わることが推定された。
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