研究課題/領域番号 |
03255204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠 進 東京大学, 医学部(医), 助手 (90195438)
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研究分担者 |
清水 輝夫 帝京大学, 医学部(病), 助教授 (00107666)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ガングリオシド / 糖鎖抗原 / フコシルGM1 / 後根神経節 / モノクロ-ナル抗体 / ニュ-ロパチ- |
研究概要 |
後根神経節細胞を分別するモノクロ-ナル抗体の作成の目的で、生後1ヶ月のウサギ後根神経節のホモジェネ-トをbalb‐cマウスに免疫した。その結果いくつかのクロ-ン抗体が作成されたが、そのうち抗原特異性が明らかなものとして抗フコシルGM1IgMκ型抗体(CRD73‐6)を得ることができた。同抗体は調べ得た限りではフコシルGM1に特異的であり、GM1やフコシルGA1とも全く交差反応はみられなかった。同抗体培養上清の抗体活性は1024倍まで認められた。CRD73‐6を用いた免疫組織染色ではヒト後退神経節で小型神経細胞を免疫染色し、それをとりまくsatellite cellsも染色した。またウサギで発生学的変化をしらべると胎生14日にはneural crestやneural tubeの染色はみられなかったが、胎生25日には後根神経節の一次知覚ニュ-ロンと遠位側の神経線維がdiffuseに染色され、生後2日では中枢側の神経線維と脊髄背側の広範な染色がそれに加わった。さらに後根神経節内では生後1ヶ月で一部の大型細胞に染色されないものが出現し、adultでは中型から小型神経細胞とその周囲のsatellite cellsに染色性が限られた。以上の結果は抗フルシルGM1ウサギ抗血清を用いて得られた結果を確認するとともにさらに新たな知見が加わったものである。抗フコシルGM1ウサギ抗血清を生直後のウサギに筋注して細胞障害性の検討を現在行っている。CRD73‐6以外のクロ-ンでは後根神経節小型神経細胞のみを認識する抗体やsatellite cellsのみを認識する抗体などが得られたが、それらの抗原物質については現在検索中である。一方抗GD1bモノクロ-ナル抗体(GM1とは反応せず)を用いてヒト後根神経節を免疫染色したが、フォルマリン固定すると後根神経節細胞が染め分けられたが、アセトン処理すると殆ど全ての神経細胞が免疫染色された。自己免疫性末梢神経障害患者血清中にしばしばみられる抗GD1b抗体の病因との関連を考える上で重要な知見であると考えられる。
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