研究課題/領域番号 |
03255207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
長谷川 明 岐阜大学, 農学部, 教授 (10026429)
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研究分担者 |
木曽 真 岐阜大学, 農学部, 教授 (90092931)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ガングリオシド / シアリルールイスX / 細胞接着因子 / ガン転位機作 / セレクチン認識糖鎖 / 神経細胞伸長活性 / 感染症 / ラクト系列ガングリオシド |
研究概要 |
ガングリオシドは分子中にシアル酸を含むスフィンゴ糖脂質の総称である。この化合物は動物細胞膜に主に局在しており、細胞間認識にもとづく様々な生物学的現象に関与している。ガングリオシドはおもにオリゴ糖鎖の特定の位置にシアル酸がαーグリコシド結合し、還元末端部分にセラミドがβーグリコシド結合している。この場合、各成分にはそれぞれ分子多様性があり、天然界から純粋に単一化合物を得ることは困難であると共に、多量に得ることは不可能である。しかしながら、最近ガングリオシドガウイルス、微生物、毒素・ホルモン等の受容体機能をもつことや、がんの転位、感染の際、サイトカイン類の刺激により血管内細胞に一時的に発現するレクチンがシアリル糖鎖を認識し、転位、感染が成立したり、その結果さまざまな病気が引きおこされる。これらの現象を解明するためには、ガングリオシド類の合成が必要不可欠である。昨年までに、我々はガングリオシド合成上の未解決問題点であったシアル酸のαー配糖体の合成を解決し、ガングリオシドの系統的分合成の可能性を示した。本年はこの方法を更に一般化するために、シアル酸のチオグリコシドをルイス酸存在下オチフェノ-ルあるいはメチルチオトリメチルシランと反応させることにより、一度に大量得ることができた。これをグリコシルドナ-に便に、ガラクト-ス、ラクト-ス誘導体とアセトニトリル中でジメチルメチルチオスルフオニウム・トリフレイト(DMTST)またはNーヨ-ドこはく酸イミド(NIS)をプロモ-タ-に用い縮合することによりシアル酸のαーグリコシドを大量に合成することに成功した。ついで、シアリルガラクト-スのチオグリコシドを合成し、これをドナ-に用い、再び各種の糖鎖に縮合することで、目的とするシアリル糖鎖とし、セラミドをβーグリコシドで導入し、各種のガングリオシドの分合成に成功した。
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