研究課題/領域番号 |
03255209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
松田 義宏 国立精神・神経センター, 神経研究所・免疫研究部, 室長 (80165836)
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研究分担者 |
中川 八郎 大阪大学, 蛋白質研究所・蛋白質代謝部門, 教授 (20029937)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1991年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ガングリオシド / タンパク質リン酸化 / 神経成長因子 / PC12細胞 |
研究概要 |
神経細胞の形態変化ならびに機能制御にガングリオシド依存性タンパク質リン酸化が関与することが示唆されてきた。一方、褐色細胞腫PC12細胞が神経成長因子(NGF)の作用下に、形態学的及び生化学的に交感神経様の表現型を取るに際しても、種々の特異的なタンパク質のリン酸化が観察されることも報告されている。そこで本年度は、PC12h細胞のNGF誘導性分化現象及びタンパク質リン酸化反応に対するガングリオシドの効果を検討し、以下の実験成績を得た。 1.ガングリオシドはNGF作用下のPC12h細胞の分化を促進する。 a)培養4日目において神経突起を伸ばした細胞の割合は、NGF(50ng/ml)単独では約40%であったが、G_<M1>共存下には60%を越えた。 b)チロシンヒドロキシラ-ゼの活性増も、NGF単独添加の場合に比べ、G_<M1>共存下には約1.5倍の増幅拡大が認められた。 2.内因性ガングリオシド合成の阻害は神経突起の伸長を抑制する。 a)NGF存在下の培養に際して、糖鎖合成の阻害剤、ツニカマイシン(1μg/ml)または2ーデオキシグルコ-ス(2ーDG;1mM)を共存させると、4日後でも神経突起はほとんど観察されなかった。 b)[ ^<14>C]グルコサミンの取り込み量によって調べたところ、この条件下ではG_<T1b>の合成が著明に抑えられていた。 c)同時に、ガングリオシド(G_<T1b>,100μg/ml)を添加しておくと、有意な保護効果が見られ、20%強の細胞で突起が観察された。 3.NGFの作用下に生じる特異的なタンパク質(チロシンヒドロキシラ-ゼ、細胞質画分33ーkDaタンパク質、核画分22ーkDaタンパク質等)のリン酸化を促進する。 ガングリオシド単独の添加では、これらの現象に関して、何ら有意な効果は認められなかった。
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