研究課題/領域番号 |
03255210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畠中 寛 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (60208519)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1991年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ガングリオシド / 神経栄養因子 / 初代培養神経細胞 / 神経細胞死 / 細胞生存維持 / 前脳基底野神経細胞 |
研究概要 |
生後8週齢のラットを用い中隔野コリナ-ジックニュ-ロンをNGR存在および非存在下に培養することに成功した。培養下のコリナ-ジックニュ-ロンの生存維持は、アセチルコリンエステラ-ゼ(AChE)染色による陽性細胞を数えることによって行った。その結果、NGFの生存維持効果は以前に報告した生後2週齢ラットからの培養中隔野コリナ-ジックニュ-ロンに対する生存維持作用に比べ低下していた。しかし、その効果は依然認められ、十分な神経繊維の再生を観察した。生後5週齢前後のラット中隔野コリナ-ジックニュ-ロンの培養でも、ほぼ同様の結果を得ている。これらの結果は、以前報告した我々の結果と合わせ考えると培養下でNGF応答性でみたラット中隔野コリナ-ジックニュ-ロンの性質は、シナプス形成開始期(E16〜P3)ではChAT活性促進にみられる分化時期を経た後、シナプス形成終了期(P10〜P15)ではニュ-ロンの生存維持が最も強く図られ、その後、NGFによる生存維持効果は低いレベルになるものと思われる。前脳基底野大型コリナ-ジックニュ-ロンは、脳の老化に伴う疾患として近年社会問題化しているアルツハイマ-型痴呆症と関連して注目されている。シナプス形成を終えた後のコリナ-ジックニュ-ロンに対する種々の神経栄養因子の持つ役割を明らかにする上で、ここで成功した成熟ラット中枢ニュ-ロンの培養系はすぐれた系となると考えられ、今後NGFを含め種々の神経栄養因子の果たす役割を明らかに出来ると思われる。この点について、現在までの我々の予備的な実験によれば、NGF依存性の生存維持活性の低下は、繊維芽細胞増殖因子によって部分的に改善されることを見いだしている。また、生後8週齢の培養コリナ-ジックニュ-ロンは、ガンガリオシドGM_1によって、その生存維持が図られており、コリナ-ジック神経繊維の著しい伸長が観察されている。
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