研究課題/領域番号 |
03255220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
水落 次男 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)
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研究分担者 |
丸野内 棣 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (90181825)
浜子 二治 藤田保健衛生大学, 短期大学, 助手 (80180933)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 人工糖脂質 / ネオグリコリピド / 糖鎖プロ-ブ / レクチン / 病原性大腸菌 |
研究概要 |
まず、ヒドラジン分解法を用いてヒトトランスフェリンのアスパラギン結合糖鎖を遊離させた後、糖鎖画分を得て、その画分からシアル酸を含有する二本鎖複合型糖鎖を調製した。また、この糖鎖をシアリダ-ゼで徹底的に消化して脱シアル化中性糖鎖を調製した。次に、これらの糖鎖を用いて、糖蛋白質由来のシアル酸含有糖鎖を中性糖鎖と同様に効率よく、脂質であるジパルミトイルホスファチジルエタノ-ルアミンに還元アミノ化反応を用いて化学的に結合させて人工糖脂質を作製する条件の検討を行なった。本研究では、反応援度、反応時間、反応混合物中のクロロホルム-メタノ-ルー水の比率など、人工糖脂質作製条件を詳細に検討した。その結果、糖蛋白質由来の中性糖鎖およびシアル酸を含む酸性糖鎖を約70〜80%の効率で人工糖脂質に導入できるようになった。なお、人工糖脂質合成反応に用いるNaBH_3CNが培養細胞に対して毒性を示したため、反応混合液からこのNaBH_3CNを除去して、人工糖脂質を精製する方法をODSカラムやPBAカラムなどを用いて詳細に検討した。その結果、PBAカラムがたいへん効果的であることを明らかにできた。 また、本研究で作製した種々の糖蛋白質由来の中性糖鎖および酸性糖鎖を導入した人工糖脂質を糖鎖プロ-ブとして用い、TLCプレ-ト上で展開分離した後、プレ-ト上に種々の植物レクチンや尿路感染症患者由来病原性大腸菌を重層して、それらの人工糖脂質糖鎖との特異的反応性を解析し、糖蛋白質糖鎖のそれらに対する受容体活性を調べるとともに、糖鎖プロ-ブとしての人工糖脂質の有用性を検討した。その結果、ある種の特定の糖蛋白質糖鎖がレクチンや病原性大腸菌の受容体として機能していることを明らかにでき、この人工糖脂質が糖鎖プロ-ブとして医学生物学分野において大変有用であることが示された。
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