研究課題/領域番号 |
03258202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 義明 東北大学, 理学部, 教授 (00098146)
|
研究分担者 |
菊地 康夫 東北大学, 理学部, 助手 (10004467)
十川 和博 東北大学, 理学部, 助教授 (80175421)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1991年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
|
キーワード | 多環性芳香族発癌物質 / 代謝活性化 / DNAエレメント / サウス・ウェスタン法 / Sp1 / BTEB / プロモ-タ- / GCbox |
研究概要 |
ベンツピレンなどの多環性芳香族発癌物質の代謝活性化に関与する、CYP1A1(P450c)遺伝子の薬物による誘導には少くとも二つのDNAエレメント(BTEとXRE)の存在が必要である。BTEに結合する因子をサウス・ウェスタン法によってクロ-ニングを行い、得られた2種のcDNAの性質を調ベた。構造解析の結果Sp1と新しいDNA総合タンパク質BTEBであることが示されている。これらのcDNAをRSVあるいはCMVのプロモ-タ-の下流に結合させて融合遺伝子を作製し、種々のGCboxを持つプロモ-タ-にCAT遺伝子を結合させたレポ-タ-遺伝子とコトランスフェクトすることによって、その活性を検討した。Sp1とBTEBはSV40やHIVなどのようにGCboxが複数個あるプロモ-タ-に対しては転写を促進することがわかった。しかしCYP1A1遺伝子のようにGCbox(BTE)が一つしかないプロモ-タ-では、Sp1は転写活性化因子として働くのに対し、BTEBはむしろ阻害的に働き、Sp1と一緒に細胞に導入するとSp1の活性化を抑制する。これは恐らくBTEBの単独の結合では転写促進能が弱く、Sp1は強いためであると考えている。細胞内で二つの因子がこのようにして働いているかは今後の問題である。BTEBの遺伝子を単離してその発現を検討した結界、BTEB遺伝子には強いプロモ-タ-活性があることがわかった。さらにBTEBmRNAは翻訳レベルでの調節も働いている可能性が示唆された。BTEBの生化学的性質を明らかにするためにT7のプロモ-タ-の下流にそのcDNAを結合させ、大腸菌での発現を試みている。現在のところ今タンパク質の1%以上の発現が見られるが、封入体に取り込まれて発現していると考えられ、不溶化しているので、これを可容化し精製することを考えている。XREに働く因子についてもcDNAクロ-ニングを行っている。
|