研究課題/領域番号 |
03258216
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
|
研究期間 (年度) |
1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1991年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
|
キーワード | カドヘリン / 細胞接着 / がん細胞 / 転移 / 浸潤 / 3Y1細胞 / vーsrc / カテニン |
研究概要 |
がん遺伝子vーsrcによってトランスフォ-ムした3Y1細胞(SR3Y1)におけるカドへリンの活性と、それに対するチロシンリン酸化の効果を調べた。SR3Y1細胞では、カドヘリンの活性があるにも関わらず、細胞の接着が不安定であることが前年度の研究により分かっている。SR3Y1をチロシンフォスファタ-ゼ阻害剤の一つバナデ-トによって処理すると、カドヘリンの活性がより一層低下した。一方、この細胞をチロシンリン酸化酵素阻害剤の一つハ-ビマイシンAによって処理すると、カドヘリンの活性が回復した。以上の結果から、細胞内の過剰チロシンリン酸化はカドヘリンの機能を攪乱することが示唆された。さらに、これらの現象と対応して、カドヘリン結合タンパク質の一つβーカテニンが、SR3Y1をバナデ-ト処理したときチロシンリン酸化を受け、このチロシンリン酸化はハ-ビマイシンA処理により阻害されることが分かった。すなわち、βーカテニンのチロシンリン酸化そのものがカドヘリンの機能阻害につながる可能性が示唆された。 さらに、ヒト胃がん由来のKatoIII細胞のカドヘリン活性を調べた。この細胞はPカドヘリンを発現するにも関わらず強固には接着しない。その原因を調べる一環として、これにEカドヘリンを導入しその効果を調べた。その結果、わずかな接着性の増大が見られたものの、依然として分散状態を維持した。すなわちこの細胞では、カドヘリンが正常に機能できないことが示唆された。
|