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糖鎖抗原の癌性変化とその臨床応用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03258218
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関京都大学

研究代表者

神奈木 玲児  京都大学, 医学部, 講師 (80161389)

研究期間 (年度) 1991
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1991年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
キーワード血行性転移 / 細胞接着因子 / シアリルSSEAー1抗原 / 2型糖鎖 / シアリルLe^a抗原 / 1型糖鎖 / 血管内皮細胞 / ELAMー1
研究概要

本研究の目的は、癌化にともなう細胞表層の糖鎖抗原の変化とその生理的意義を解明し、ヒト癌の診断と治療への応用の基礎とすることである。
我々は今年度、悪性細胞の血管外浸潤や血行性転移に関連するとみられる糖鎖抗原の細胞接着因子としての機能について検索した。シアリルSSEAー1抗原は白血球や肺癌、卵巣癌に強く発見されている。しかし、消化器系の癌細胞では、SSEAー1系の2型糖鎖よりも、2→3シアリルLe^a抗原など1型の癌関連性糖鎖抗原の方が陽性率が高い。我々は今年度、実はこの2→3シアリルLe^a抗原(1型糖鎖抗原)もELAMー1のリガンドであることを明らかにした。ヒト培養大腸癌細胞Colo201は2型のシアリルLe^x抗原を中等度に発現するが、1型の2→3シアリルLe^a抗原をより強く発現する。この細胞もまた血管内皮細胞のELAMー1によく接着するが、意外なことにこの接着は抗シアリルLe^x抗体よりむしろ抗2→3シアリルLe^a抗体で強く阻止される。これは、シアリルLe^a陰性のヒト白血病細胞HLー60の接着が抗シアリルLe^x抗体のみで特異的に阻止されるのと対照的であった。
両糖鎖抗原がともにELAMー1のリガンドであれば、2→3シアリルLe^aのリポゾ-ムもシアリルLe^xのリポゾ-ムも、Colo201およびHLー60のどちらの細胞の接着をも阻止するはずである。以後の研究は愛知県がんセンタ-にて継続の予定である。

報告書

(1件)
  • 1991 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Takada,A.,Ohmori,K.,Takahashi,N.,Tsuyuoka,K.,Yago,K.,Zenita,K.,Hasegawa,A.,and Kannagi,R.: "Adhesion of human cancer cells to vascular endothelium mediated by a carbohydrate antigen,sialyl Lewis A." Biochem.Biophys.Res.Commun.179. 713-719 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Itai,S.,Nishikata,J.,Yoneda,T.,Lhmori,K.,Tsunekawa,S.,Hiraiwa,N.,Yamabe,H.,Arii,S.,Tobe,T.,and Kannagi,R.: "Tissue distribution of sialyl 2ー3 and 2ー6 Lewis a antigens and the significance of serum 2ー3/2ー6 sialyl Lewis a antigen ratio for the differential diagnosis of malignant and benign disorders of the digestive tract." Cancer. 67. 1576-1587 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Mori,Y.,Hosono,M.,Murakami,K.,Katoh,H.,Yoshikawa,Y.,Kuribayashi,K.,Kannagi,R.,Sakai,M.,Okuma,M.,and Masuda,T.: "Genetic studies on experimental autoimmune gastritis induced by neonatal thymectomy using recombinant inbred strains between a highーincidence strain, BALB/c, and a lowーincicence strain, DBA/2." Clin. Exp. Immunol.84(1). 145-152 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] Ando,Y.,Imamura,S.,Owada,M.K.,and Kannagi,R.: "Calciumーinduced intracellular crossーlinking of lipocortin I by tissue transglutaminase in A431 cell: Augmentation by membrane phospholipids." J. Biol. Chem.266. 1101-1108 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 神奈木 玲児.: "「糖鎖抗原からみた肺癌の分化と生物特性」" 医学のあゆみ. 157(12). 681 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 神奈木 玲児,高田 亜希子,露岡 清隆: "「癌の多段階的進展ー糖鎖異常と癌転移」" 臨床科学. 27(11). 1538-1546 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 神奈木 玲児: "「単クロ-ン抗体によるがんの診断」"「がんのバイオサイエンス」シリ-ズ,第4巻 がんの新しい診断と治療"" 井村 裕夫 編,東京大学出版会,東京,31 (1991)

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書
  • [文献書誌] 神奈木 玲児: "「癌細胞の糖鎖抗原研究の現況」"腫瘍マ-カ-最近の進歩"" 大倉 久直 編,中外医学社,東京.,

    • 関連する報告書
      1991 実績報告書

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公開日: 1991-04-01   更新日: 2016-04-21  

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