研究課題/領域番号 |
03258222
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
羽倉 明 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00029779)
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研究分担者 |
井上 正樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10127186)
井上 寛一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30176440)
湯通堂 満寿男 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (70135747)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1991年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | ヒトパピロ-マウイルス / がん遺伝子 / トランスジェニックマウス / 子宮頚癌 / トランスフォ-メ-ション / 睾丸腫瘍 |
研究概要 |
子宮頚癌の発生に密接に関係すると考えられるHPV16型の癌遺伝子機能につきin vivo,in vitro両面から検討を加え、本年度は以下の結果を得た。 I、in vivoでのHPV遺伝子機能の解析 HPV16型E6E7遺伝子のin vivoにおけるがん化能、及びがん化に関与する細胞側因子の解析を目的として.同遺伝子を導入したtransgenic mouseを3系統作成することに成功し、うち1系統(181系)ではすべての雄マウスに睾丸腫瘍(seminoma)が発生すること、seminoma細胞中でE6E7遺伝子の活性化に加えcーkit遺伝子及びそのligandであるstem cell factor(SCF)遺伝子が活性化されていることを明らかにし、seminomaの発生にE6E7遺伝子に加えてSCF/KIT autocrine loopが重要な役割を果している可能性を示した。また181系以外のtransgenic mouse(274系)を用いて、睾丸腫瘍の発生に加え、多くの雌マウスの腟スメア中に高度異型細胞が出現することを確認した。上記研究と平行して、子宮、腟部でのHPV16型E6E7遺伝子の影響を調べるため、E6E7遺伝子を持つキメラレトロウイルスを作成し、マウス腟内に接種することにより、子宮、腟上皮に異形成が高頻度に出現することを認めた。また化学発がん物質などを同時に処理することにより、同物質単独処理に比べ、扁平上皮癌の発生頻度が有意に増加することを認めた。 II、培養細胞を用いたHPVE6E7遺伝子機能の解析 悪性型(16型)、良性型(6型)間でキメラE7遺伝子を作成し、E7蛋白のN末端から30アミノ酸を含む領域がtransform活性に重要であることを明らかにした。また現在悪性型E6E7遺伝子によるtransformationを抑制する遺伝子や子宮頚癌抑制遺伝子の分離で成果をあげつつある。その他、HPV検出用材料として、尿中の細胞が使用可能であることを明らかにした。
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