研究課題/領域番号 |
03258228
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片岡 徹 神戸大学, 医学部, 教授 (40144472)
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研究分担者 |
鈴木 昇 神戸大学, 医学部, 助手 (00202135)
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研究期間 (年度) |
1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1991年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | ras癌遺伝子 / GTP結合蛋白質 / アデニル酸シクラ-ゼ / 出芽酵母ras / 蛋白質間相互作用 / シクラ-ゼ活性化抗体 |
研究概要 |
(1)ras蛋白質の標的である出芽酵母アデニル酸シクラ-ゼを可溶化して精製した。その結果、シクラ-ゼは高分子量複合体を形成しており、Mg^<2+>存在下ras蛋白質依存性シクラ-ゼ活性をもつ複合体は、Mn^<2+>依存性活性をもつ複合体と分離可能であり、従来未発見の分子量5万と1.5万の蛋白質がras蛋白質依存性複合体中に見い出された。昨年度発見された分子量7万シクラ-ゼ結合蛋白質CAPは、ras依存性複合体中には少量しか存在せず、その遺伝子を破壊してもシクラ-ゼのras蛋白による活性化に影響はないので、ras蛋白質との相互作用には不必要と結論された。現在、発見された2つの蛋白質の作用機構を検討中である。 (2)出芽酵母アデニル酸シクラ-ゼの全域を、200アミノ酸位の小領域に分割して大腸菌内で産生し、その各々にポリクロ-ナル抗体を作成して、各抗体の試験管内でのras蛋白質によるシクラ-ゼの活性化に対する影響を調べた。その結果、Leucineーrich repeatsの少しCOOH末端側の一領域に対するポリクロ-ナル抗体のみが、出芽酵母アデニル酸シクラ-ゼをras蛋白質と同程度(約100倍)に活性化する事を発見した。この抗体のシクラ-ゼ活性化に関するエピト-プをマッピングした所、シクラ-ゼのアミノ酸番号1452ー1465の14アミノ酸の小領域が抗原決定領域である事がわかった。この抗体による活性化は、ras蛋白質による活性化と拮抗的(相補的)であるので、この抗体はシクラ-ゼ分子上のras蛋白質結合部位の少なくとも一部を認識している事が推測された。昨年度報告したleucineーrich repeatsについては、その変異がシクラ-ゼ分子の異常な凝集をひきおこす事が判明し、シクラ-ゼの超構造の維持に必要であると考えられた。上記ras蛋白質様作用を示す抗体によって特異的に認識される蛋白質が哺乳類細胞抽出液中に少なくとも一種類存在する事が判明したので、現在その遺伝子をクロ-ン化中である。
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